釣舟草つりぶねさう)” の例文
雛菊ひなぎく釣舟草つりぶねさうひゆの花、もつと眞劍のまよはしよりも、おまへたちの方がわたしは好だ。ほろんだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
くるま左右さいうとゞく、数々かず/\たきおもても、裏見うらみ姿すがたも、燈籠とうろうともして、釣舟草つりぶねさういてく。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やがて、かははゞぱいに、森々しん/\淙々そう/\として、かへつて、またおともなくつる銚子口てうしぐち大瀧おほたきうへわたつたときは、くももまたれて、紫陽花あぢさゐかげそらに、釣舟草つりぶねさうに、ゆら/\と乗心地のりこゝちゆめかとおもふ。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
釣舟草つりぶねさう不謹愼ふきんしんの女である、秋波ながしめをする、しなをする。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
いはほくろとき松明まつまぼろしてらし、しろとき釣舟草つりぶねさうまどれた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)