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金碧
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きんぺき
ふりがな文庫
“
金碧
(
きんぺき
)” の例文
四方の障壁にはまだ
恙
(
つつが
)
ない
金碧
(
きんぺき
)
の絵画が眺められる。どこからともなく薄煙は流れ入るが、火焔が伝わって来るには
微
(
かす
)
かな
遑
(
いとま
)
がありそうである。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前の晩には
金碧
(
きんぺき
)
の眩い汽車だと思つたが朝になつて見ると昨日迄のよりは餘程古い。窓も眞中に一つあるだけである。
巴里まで
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
前の晩には
金碧
(
きんぺき
)
の
眩
(
まばゆ
)
い汽車だと思つたが朝になつて見ると
昨日
(
きのふ
)
迄のよりは
余程
(
よほど
)
古い。窓も
真中
(
まんなか
)
に一つあるだけである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
すなわち私共はその北の口からずっと入って見ますと実に
金碧
(
きんぺき
)
燦爛
(
さんらん
)
として何ともいえない感に打たれたです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
目を
瞑
(
つむ
)
って私につかまっていてくださいと言うと、すなおにその通りにしていて、ほどなく
金碧
(
きんぺき
)
光り
耀
(
かがや
)
く
常世
(
とこよ
)
の浜に到着した、という
風
(
ふう
)
にも語ることになっていて、それをさも有りなんと息を
詰
(
つ
)
めて
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
信長の声は、
金碧
(
きんぺき
)
や
丹青
(
たんせい
)
の
燦
(
かがや
)
くうちにただ一つある墨絵の一室——
狩野永徳
(
かのうえいとく
)
が画くところという
遠寺晩鐘図
(
えんじばんしょうず
)
の
襖
(
ふすま
)
をめぐらした部屋の上段から大きく聞えた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帝王は死にたる
後
(
のち
)
も守られぬ
金碧
(
きんぺき
)
の
楼
(
ろう
)
千年の
柏
(
はく
)
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
彼は、もう何か、怖れるものもないように、そこの
厨子
(
ずし
)
を
転
(
まろ
)
び出て、
廟
(
びょう
)
の外に立ってみた。そしてそのとき初めて、廟の
額
(
がく
)
に、
金碧
(
きんぺき
)
あざらかな四文字をはっきり見たのであった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紫金殿の
勾欄
(
こうらん
)
、
瑠璃楼
(
るりろう
)
の
瓦
(
かわら
)
、八十八門の
金碧
(
きんぺき
)
、
鴛鴦池
(
えんおうち
)
の
珠
(
たま
)
の橋、そのほか後宮の院舎、親王寮、
議政廟
(
ぎせいびょう
)
の宏大な建築物など、あらゆる伝統の形見は、炎々たる熱風のうちに見捨てられた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雷
(
かみなり
)
の申し子みたいに、赤っ毛で色の黒い男の子は、
欄間
(
らんま
)
の
金碧
(
きんぺき
)
だの、
侍女
(
こしもと
)
たちの衣裳だの、畳の
縁
(
へり
)
だの、きょときょとしていたが、母に膝をつかれて、甘えるように、母の肩へ顔をすり寄せた。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山門といっても何の
金碧
(
きんぺき
)
もない
茅葺門
(
かやぶきもん
)
。本堂も貧しい寺だった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
碧
漢検準1級
部首:⽯
14画
“金碧”で始まる語句
金碧朱白
金碧燦然
金碧燦爛
金碧蒼然