“遂(しまひ)” の例文
夫(それ)は傍(そば)で見(み)て居(ゐ)ては危(あぶ)な相(さう)な手(て)もとで幾度(いくたび)か針(はり)の運(はこ)びやうを間違(まちが)つて解(と)いたこともあつたが、遂(しまひ)には身體(からだ)にしつくり合(あ)ふやうに成(な)つて居(ゐ)た。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おつぎは焦(ぢ)れて邪險(じやけん)に與吉(よきち)をゆさぶることもあつた。それで與吉(よきち)は遂(しまひ)には砂糖(さたう)を口(くち)にしながらすや/\と眠(ねむ)る。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼(かれ)は南(みなみ)の家(いへ)から借(か)りた鋸(のこぎり)で大小(だいせう)の燒木杙(やけぼつくひ)を挽切(ひつき)つた。遂(しまひ)に彼(かれ)は後(うしろ)から燒(や)けた竹(たけ)を伐(き)つて來(き)て簀(す)の子(こ)のやうに横(よこた)へて低(ひく)い床(ゆか)を造(つく)つた。竹(たけ)を伐(き)つた鉈(なた)も彼(かれ)の所有(もの)ではなかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)