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逃路
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にげみち
ふりがな文庫
“
逃路
(
にげみち
)” の例文
必死に、
逃路
(
にげみち
)
を求めてゐるやうな青年の様子が、可なり悲惨だつた。美奈子は、他人事ならず、胸が張り裂けるばかりに、母が何と云ひ出すかと待つてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
最後の
逃路
(
にげみち
)
は、母親よりなかった。古風な、祇園の
芸妓
(
げいこ
)
さんのお
母
(
か
)
あさんばかりではない。まだその時分には、牛肉を煮る匂いをきらった老女は多かったのだ。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
親父の位牌へ対して路銀まで下すって、そのうえ
逃路
(
にげみち
)
まで教えて下さると云うはな実に有り難い事ではないか、
何
(
なん
)
とも申そう
様
(
よう
)
はございません、コレお國、この
罰当
(
ばちあた
)
りめえ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一呼吸
(
ひといき
)
拔
(
ぬ
)
いて
置
(
お
)
いて、
唐突
(
だしぬけ
)
に、ばり/\ばり/\、びしり、どゞん、
廊下
(
らうか
)
の
雨戸外
(
あまどそと
)
のトタン
屋根
(
やね
)
がすさまじく
鳴響
(
なりひゞ
)
く。ハツと
起
(
お
)
きて、
廊下
(
らうか
)
へ
出
(
で
)
た。
退治
(
たいぢ
)
る
氣
(
き
)
ではない、
逃路
(
にげみち
)
を
搜
(
さが
)
したのである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
必死に、
逃路
(
にげみち
)
を求めているような青年の様子が、可なり
悲惨
(
ひさん
)
だった。美奈子は、他人事ならず、胸が張り裂けるばかりに、母が何と云い出すかと待っていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
が、
吃驚
(
びつくり
)
するやうな
大景氣
(
だいけいき
)
の
川鐵
(
かはてつ
)
へ
入
(
はひ
)
つて、たゝきの
側
(
そば
)
の
小座敷
(
こざしき
)
へ
陣取
(
ぢんど
)
ると、
細露地
(
ほそろぢ
)
の
隅
(
すみ
)
から
覗
(
のぞ
)
いて、
臆病神
(
おくびやうがみ
)
が
顯
(
あら
)
はれて、
逃路
(
にげみち
)
を
探
(
さが
)
せや
探
(
さが
)
せやと、
電燈
(
でんとう
)
の
瞬
(
またゝ
)
くばかり、
暗
(
くら
)
い
指
(
ゆび
)
さしをするには
弱
(
よわ
)
つた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
逃
常用漢字
中学
部首:⾡
9画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“逃”で始まる語句
逃
逃出
逃亡
逃去
逃散
逃入村
逃走
逃失
逃入
逃場