豊作ほうさく)” の例文
旧字:豐作
斎藤豊作ほうさく氏の「落葉する野辺」など昔見たときは随分けばけばしい生ま生ましいもののような気がしたのに、今日見ると、時のいぶしがかかったのか
二科展院展急行瞥見 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「このくわは、わたしねんをいれて、どうか今年ことし豊作ほうさくであってくれるようにと、かみさまにいのってつくったくわなんだから、なかなかしっかりできている。」
おじいさんとくわ (新字新仮名) / 小川未明(著)
つたへていふ、白髪はくはつ老翁らうをうへいをもちてなだれにくだるといふ。また此なだれ須川村の方へ二十町余の処真直まつすぐつき下す年は豊作ほうさく也、菖蒲村の方へなゝめにくだす年は凶作きやうさく也。其験そのしるしすこしたがふ事なし。
こちらの不景気ふけいきといってはおはなしになりません。みんなは、あちらのやまをながめて、あのやますとゆきはあるというが、今年ことし豊作ほうさくらしきがいいという。
おかしいまちがい (新字新仮名) / 小川未明(著)
そればかりでない、清水しみずにまいたあぶらはみんななかながて、清水しみずは、またもとのようにきれいにみました。そのとしは、いつにない豊作ほうさくであったということです。
神は弱いものを助けた (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どうか、今年ことし豊作ほうさくであってくれればいいがな。」と、はなしをしてゆきました。
おじいさんとくわ (新字新仮名) / 小川未明(著)