)” の例文
旧字:
ほんとうにその返事へんじ謙遜けんそんもうけのような調子ちょうしでしたけれども私はまるで立ってもてもいられないように思いました。
サガレンと八月 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
豚を殺すそんなけだから塾中の書生に身なりの立派な者はず少ない。そのくせ市中の縁日などえば夜分屹度きっと出て行く。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
例えば誰が主人やら、家族やら、けの分らぬ所に面白味あれども、客に接する場合においては、主人相い識らざる家は、客も迷惑なるべく、此方こちらも迷惑なるべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
けはない、おのずから方便ありなんてヅウ/″\しくやって居たが、とう/\つかまったのが可笑おかしいどころか一時おお心配をした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
(何だぃ。あったな雨ればぐなるような奴凧ひとつこぱだこさ、食えのもうげなぃの機嫌きげんりやがて。)嘉吉はまたそう云ったけれどもすこしもそれにさからうでもなくただつらそうにしくしく泣いているおみちのよごれた小倉こくらの黒いえりやふるうせなかを
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
長与は如何どうしたろうかと心配したものゝ、とてさがけに行かぬ。間もなく日が暮れて夜になった。もう夜になっては長与の事は仕方しかたがない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)