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襲着
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かさねぎ
ふりがな文庫
“
襲着
(
かさねぎ
)” の例文
十九ばかりの品のあるお嬢さんが、しっとり寂しいほど、
着痩
(
きや
)
せのした、
縞
(
しま
)
お召に、ゆうぜんの
襲着
(
かさねぎ
)
して、
藍地
(
あいじ
)
糸錦の丸帯。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
切
(
きつ
)
て來りつゝ居合はせし善六に向ひ
尋
(
たづ
)
ぬる樣に昨日
年頃
(
としのころ
)
十八九の女の
黒縮緬
(
くろちりめん
)
に八丈の小袖を
襲着
(
かさねぎ
)
せしが
若
(
もし
)
や
此道筋
(
このみちすぢ
)
を通りしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
縁前
(
ゑんまへ
)
のついその
森
(
もり
)
に、
朽木
(
くちき
)
を
啄
(
ついば
)
む
啄木鳥
(
けらつゝき
)
の、
青
(
あを
)
げら、
赤
(
あか
)
げらを二
羽
(
は
)
視
(
み
)
ながら、
寒
(
さむ
)
いから
浴衣
(
ゆかた
)
の
襲着
(
かさねぎ
)
で、
朝酒
(
あさざけ
)
を。——
当時
(
たうじ
)
、
炎威
(
えんゐ
)
猛勢
(
もうせい
)
にして、九十三
度半
(
どはん
)
といふ、
真中
(
まなか
)
で
談
(
だん
)
じたが
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いまだ額に波は寄らねども、束髪に
挿頭
(
かざ
)
せる花もあらなくに、青葉も
過
(
すぎ
)
て
年齢
(
とし
)
四十に近かるべし。小紋
縮緬
(
ちりめん
)
の
襲着
(
かさねぎ
)
に白襟の
衣紋
(
えもん
)
正しく、
膝
(
ひざ
)
の
辺
(
あたり
)
に手を置きて、少しく
反身
(
そりみ
)
の
態
(
すがた
)
なり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
細身
(
さいしん
)
、
柳腰
(
りうえう
)
の人、
形態
(
けいたい
)
の
風
(
かぜ
)
にも堪へざらむ、さまでに
襲着
(
かさねぎ
)
してころ/\
見悪
(
みにく
)
からむを恐れ、裾と袖口と襟とのみ二枚重ねて、胴はたゞ一枚になし、以て三枚襲に合せ、下との兼用に
充
(
あ
)
つるなり
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
襲
常用漢字
中学
部首:⾐
22画
着
常用漢字
小3
部首:⽬
12画
“襲”で始まる語句
襲
襲撃
襲来
襲衣
襲來
襲入
襲封
襲重鱗茎
襲兵
襲名