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袴腰
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はかまごし
ふりがな文庫
“
袴腰
(
はかまごし
)” の例文
つまり昔の国境は今と違って沼の中央から北に向って大江沢を遡り、大江山から南下して
袴腰
(
はかまごし
)
山に達したものではあるまいか。
上州の古図と山名
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
そこを出るとすぐ、何か、荒々しい
皺嗄
(
しわが
)
れた声が、大玄関の方で聞えた。孫太夫はもう
袴腰
(
はかまごし
)
がすこし曲って見える
年齢
(
とし
)
である。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
広小路一帯は今日とは
大分
(
だいぶ
)
違い、
袴腰
(
はかまごし
)
がもっと三枚橋の方へ延び、黒門と袴腰の所が広々としていた。山下の方には、大きな店で雁鍋がある。
幕末維新懐古談:19 上野戦争当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
根津の下屋敷を出まして、上野の広小路で買物をいたし、今山下の
袴腰
(
はかまごし
)
の方へ掛ろうとする
後
(
うしろ
)
から、松蔭大藏が声をかけ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うしろから
袴腰
(
はかまごし
)
を当てた、「そんなことあんたは知らなくってもいいの、兄のほうはあたしが引受けたんだから、ね、あと半
刻
(
とき
)
ばかりしたら出るのよ」
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
泥だらけの手足を躍らして小犬のように跳ね上ると、玄関の式台へ泥足のまま駈け上って、栗野博士を
突除
(
つきの
)
けながら、澄夫の
袴腰
(
はかまごし
)
にシッカリと抱き付いた。
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
筒袖
(
つつそで
)
を着て
袴腰
(
はかまごし
)
のあるズボンを
穿
(
は
)
いているからそれでそう言ったもので、あんまり良い人が集まらなかったから、多くは市中の
破落戸
(
ならずもの
)
を集めたものであります。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
海沿いの道を約一里あるいて、
袴腰
(
はかまごし
)
という処に部隊がある。眼をあげると、空は晴れ上って、朱を流したような夕焼であった。私の心もほっと明るくなるような感じであった。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
そこで青磁の御承知の
袴腰
(
はかまごし
)
のこういう香炉がありますが、そういうようなものは今日五万、十万、二十万という値をしておりますが、これがどういう場合に使えるかと申しますと
古陶磁の価値:――東京上野松坂屋楼上にて――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「この真正面にお台場見たいな青草の島があるでしょう? あれを
袴腰
(
はかまごし
)
といいます」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その若者の
袴腰
(
はかまごし
)
に
左手
(
ゆんで
)
をかけて、軽く突くと
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
まだ体温のある胸、胴巻、背中、
袴腰
(
はかまごし
)
……はては
脚絆
(
きゃはん
)
の
紐
(
ひも
)
までといて
検
(
あらた
)
めたが、どうしたのだろう? 目的の秘帖はどこからも出てこない。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雁峠から右に引き上げた緩い草原の斜線が、
一頓
(
いっとん
)
して二つ三つ波を打った者が笠取山で、『甲斐国志』に所謂
袴腰
(
はかまごし
)
山に当り、其東は栂の大木が黒く茂った枝沢山である。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
紺足袋
(
こんたび
)
福草履
(
ふくぞうり
)
でお
前駆
(
さきとも
)
で見廻って歩きます、お中屋敷は小梅で、
此処
(
これ
)
へお出でのおりも、未だお部屋住ゆえ大したお供ではございませんが、權六がお供をして上野の
袴腰
(
はかまごし
)
を通りかゝりました時に
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おのれ、慮外な振舞いをなすと、六波羅の
糺明所
(
きゅうめいじょ
)
へ突き出すぞよ」四郎の
袴腰
(
はかまごし
)
をつかんで、月輪殿の側から引きもどそうとすると、振向きざま
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大江山から
袴腰
(
はかまごし
)
山、黒岩山あたり鬼怒沼方面にかけて、打ち続く針葉樹林の真黒なのに驚いたが、眼を北に転じて脚下の檜枝岐川や只見川の渓谷を見た時、再び
凝然
(
ぎょうぜん
)
として目を
瞠
(
みは
)
らざるを得なかった。
尾瀬雑談
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
それを二、三人の法師弟子が出て来て、
袴腰
(
はかまごし
)
をつかんでずるずると席のほうへ引っ張り込む、その後に血の交じった
涎
(
よだれ
)
が糸をひいて床を
濡
(
ぬ
)
らしている。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、小次郎も
真似
(
まね
)
て
袴腰
(
はかまごし
)
に巻いていた
小豆
(
あずき
)
色の
縮緬
(
ちりめん
)
を、前髪のうえからかぶって、顎の下にたっぷり結んで下げた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
藁編
(
わらあ
)
みの目の
粗
(
あら
)
い笠を
眉深
(
まぶか
)
にかぶって、
袴腰
(
はかまごし
)
へ武者修行風呂敷をしばりつけた背の高い若者が、半開きにした
鉄扇
(
てっせん
)
を、笠のひさしにかざして、熱心に伏見城の地勢や工事のさまを眺めていた。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兄の五郎右衛門はまた、弟の
袴腰
(
はかまごし
)
をうしろから締め直してやっている。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
袴腰
(
はかまごし
)
が、解けかけて居りますぞ』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
袴
漢検準1級
部首:⾐
11画
腰
常用漢字
中学
部首:⾁
13画
“袴腰”で始まる語句
袴腰峠