“はかまごし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
袴腰86.4%
袴越9.1%
桍腰4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこを出るとすぐ、何か、荒々しい皺嗄しわがれた声が、大玄関の方で聞えた。孫太夫はもう袴腰はかまごしがすこし曲って見える年齢としである。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と手を袴越はかまごしに白くかける、とぐいと引寄ひきよせて、横抱きに抱くと、獅子頭ししがしらはばくりと仰向あおむけに地を払って、草鞋わらんじは高くった。とりはねかざりには、椰子やしの葉を吹く風が渡る。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されど今はこれ等の精も森の奥の何処かの洞穴に隠れて、蕭条しょうじょうたる原は空しく冷い風が吹いている許りである。北は木立の間から燧岳の双尖と桍腰はかまごし山の平な頂上とが窺うように原を覗いている。
秋の鬼怒沼 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)