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荒凉
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くわうりやう
「
何故家は
此うなんだらうと、
索寞といふよりは、これぢや
寧ろ
荒凉と
謂ツた方が適當だからな。」と
呟き、
不圖また奧を
覗いて、
燥ツた聲で
右の方は、
深紅の
窓掛の
襞が私の
視野を遮り、左の方は、透明な窓硝子が私を
庇護つて呉れたが、
荒凉たる十一月の日から私を引き離しては呉れなかつた。
橄欖島は
荒凉たる
島、とても
其種の
發動藥液を
得る
事は
出來ず、
其他の
諸島、
又は
大陸に
通信して、
供給を
仰ぐといふ
事も、
决して
出來る
事では
無いのです。
荒凉の
氣に
打たれた
彼は、
何かなして
心を
紛らさんと、イワン、デミトリチの
寐臺の
所に
行つて
腰を
掛る。