自儘じまゝ)” の例文
よくも孝助を弓のおれったな、それのみならず主人を殺し、両人ふたり乗込んで飯島の家を自儘じまゝにしようと云う人非人にんぴにん、今こそ思い知ったか
殺し置き自儘じまゝ生害しやうがいなすと云は天下の大法知ぬに武士ぶしたる者の爲こと成ず依て暫時しばらくとゞまあけるを待ち奉行所ぶぎやうしよへ名乘て出て相應さうおうなる處分しよぶんを受るが至當したうなれば先其やいば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
而して自称憂国家の作するところ多くは自儘じまゝなり。彼等は僻見多し、彼等は頑曲ぐわんきよく多し。彼等は復讐心を以て事を成す。彼等は盲目の執着を以て業をいそぐ。彼等は夢幻中の虚想を以て唯一の理想となす。
富嶽の詩神を思ふ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
自儘じまゝに好いた客のそばへばかり行っていることは出来ませんもんですから、ようよう夜明になってこの座敷へまいりますると、うと/\しています様子。
ふるつて庄兵衞をうち即座そくざ自害じがいはてんと爲しは上のお手數てかずはぶくの御奉公ごほうこう天晴あつぱれなる擧動ふるまひなり父武左衞門は自儘じまゝなんとする娘を止めそれを引連事柄ことがら委細ゐさいのべ自首じしゆする段法度はつとを重じ上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
当人が承諾しなければ自儘じまゝに人身売買をしてはならん。ところでお部屋からは噛んでふくめるように花里へ説諭せつゆしますが、何うしてもうんとは申しません。
と手紙をしたゝめて小三郎に送る、其の文面にもお刀をお手に入れるために、済まない事とは知りながら、お断りも致さず、わたくし自儘じまゝに泥水に身を沈めましたが、一旦斯様な処へ這入りました身の上ゆえ