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脅
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おどか
ふりがな文庫
“
脅
(
おどか
)” の例文
そのうちに、石の一箇が、勘太の
額
(
ひたい
)
にぶつかった。血は片眼を塗りつぶした。勘太は近づくものを脇差で
脅
(
おどか
)
してみたが効がなかった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
部厚
(
ぶあつ
)
の芳名録には、一流の道場主が続々と名前を書いてくれるから、次に訪ねられた道場では、その連名だけで
脅
(
おどか
)
される。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして八畳の
納戸
(
なんど
)
で着物を畳みつけたり、散かったそこいらを取片着けて、
埃
(
ごみ
)
を掃出しているうちに、自分がひどく
脅
(
おどか
)
されていたような気がして来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「お前が三十里も歩く間、俺はヂツとして居る筈は無いぢやないか。あのお菊といふ娘を
脅
(
おどか
)
したり、すかしたりこれだけのことを言はせるのに二日かゝつたよ」
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いくらか
脅
(
おどか
)
し気味でもあつた。尋常にぬげばすぐぬげる
短靴
(
たんぐつ
)
が、ちよつと脱ぎ悪くさうにも見えた。
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
▼ もっと見る
あの火事騒ぎをやっている
間
(
ま
)
に医学博士を僧院の中へ案内した。医学博士が宿屋だといったのは、犯人たちが博士を
脅
(
おどか
)
して、あのようにいわせたのだとボートルレは語った。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
「思い止まった。家作に二人もいるんだから、今更看板を出しても
脅
(
おどか
)
しにならない」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「オイ小僧、ブローニングで
脅
(
おどか
)
されないうちに、早く帰れよ」
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
主膳に
脅
(
おどか
)
された時は、少なくとも抵抗するの気力がありました。またその人に追われた時も逃げる隙がありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
わざと
喧
(
やかま
)
しく言って
脅
(
おどか
)
して見るのだろうという気もする。あれくらいなことは、今日は
失敗
(
しくじ
)
っても、二度三度と慣れて来れば造作なく出来そうにも思える。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
脅
(
おどか
)
しに白刃を見せたら、或は
脆
(
もろ
)
く逃げ散るかも知れないと思ったが、土民とはいえ、領主の身を思っての
赤誠
(
せきせい
)
であってみると、案外、そうでないかも分らない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盲目地
(
めくらぢ
)
の袷に、豆絞りの
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りで、
懷中
(
ふところ
)
に呑んでゐた
匕首
(
あひくち
)
を拔いて、
脅
(
おどか
)
しながら——俺は黒雲五人男の一人だ、岡つ引の家を承知で入つたが、ジタバタすると命が危ない。
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
第一候補者を横取りした責任上、閣下は僕に勝るとも劣らないような秀才を
賠償
(
ばいしょう
)
として橋本家へ差向けるかも知れないと言って
脅
(
おどか
)
してやりました。安達君、流石に顔色を変えましたよ
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
昼からかけての心の
顫
(
ふるへ
)
は漸く薄らいだが恐怖は却つてはつきりした知覚を以て彼を
脅
(
おどか
)
した。彼が拘禁された留置場は三畳の独房であつた。戸口が一つあるきりで四方は天井の高い壁で囲つてある。
逆徒
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
といって、畏れというのは、サーベルや、鉄砲で
脅
(
おどか
)
すことではない。
権柄
(
けんぺい
)
ずくで人民を圧制することでもない。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おゆうが
俥
(
くるま
)
で飛込んでいった時、
生家
(
さと
)
ではもう
臥床
(
ねどこ
)
に入っていたが、おゆうはいきなり昔し堅気の
頑固
(
がんこ
)
な父親に、頭から
脅
(
おどか
)
しつけられて、一層
突
(
つき
)
つめた気分で家を出た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
味噌久を
脅
(
おどか
)
して、古道具屋を呼ばせ、世帯一式、付け値の七両二分で、売り払ってしまった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれは
脅
(
おどか
)
しだよ」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「どこの畜生だか知らねえが、人を
脅
(
おどか
)
しやがる畜生だ、この近所ではついぞ見かけたことのねえ畜生だが、いやはや、馬鹿と
狂犬
(
やまいぬ
)
ほど怖いものはないと太閤様が申しました」
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いくらお前が隠したって、捜そうと思えばわけはないよ。
罷
(
まか
)
り間違えば、警察の手を仮りることも出来るし、田舎を騒がして、突ッつきだすという方法もある。」そうも言って
脅
(
おどか
)
した。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
俺らが本所に留守番を頼まれていた時分に、その泥誅を
脅
(
おどか
)
してやったのはいい心持だった
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
馬上の武士に鉄砲で
脅
(
おどか
)
された七兵衛は、林へ飛び込んで木の繁みを
潜
(
くぐ
)
って北へ逃げた。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まず第一、お前の体格なら、誰が見ても
一廉
(
ひとかど
)
の武芸者と受取る。そこで、武芸者らしい服装をして、しかるべき剣術の道具を担って、道場の玄関に立ってみろ、誰だって
脅
(
おどか
)
されらあ。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
若い娘を
脅
(
おどか
)
して、その後生大事な髪飾りを強奪した、そういう奴を許してはおけない、ということで、それが勿来の関に向って押しかけて来るところへ、白雲が、この被害品を
小腋
(
こわき
)
にして
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
鍋焼饂飩は、
股慄
(
こりつ
)
しながら、やっとそれだけ言いました。斬られたとは言うけれど、斬られている様子はない。単に
脅
(
おどか
)
されたものか、或いは他の斬られたのを見て、自分が斬られたと思ったのか。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
脅
(
おどか
)
しちゃいけません、もう
懲々
(
こりごり
)
でございます」
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
脅
(
おどか
)
してみたのじゃ」
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
脅
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
“脅”を含む語句
脅迫
脅威
脅喝
威脅
脅迫状
白痴脅
脅嚇
虚仮脅
鳥脅
一脅
音脅
脅退
脅迫談判
脅迫観念
脅迫者
脅迫感
脅腹
脅曳
脅怖
脅威挑戦
...