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背向
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うしろむ
ふりがな文庫
“
背向
(
うしろむ
)” の例文
背向
(
うしろむ
)
きの
石地蔵
(
いしじぞう
)
が、看護婦の冠る様な白い帽子を
被
(
き
)
せられ、
両肩
(
りょうかた
)
には白い雪のエパウレットをかついで澄まして立ってござるのだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そうすると先生は
背向
(
うしろむ
)
きに椅子にかけて正面の大きな書き物机にもたれて、ガックリとこう
転
(
うた
)
た寝でも遊ばしているような恰好なんでしょう。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
と
背向
(
うしろむ
)
きになって小腰を
屈
(
かが
)
め、
姥
(
うば
)
は七輪の炭をがさがさと
火箸
(
ひばし
)
で直すと、
薬缶
(
やかん
)
の尻が合点で、ちゃんと据わる。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
米躑躅
(
こめつつじ
)
の類であろう、岩の襞に白い花を綴っているが、下を覗いただけで身顫いして引返した。東寄りの岩壁の間の急峻な空谷を草に
攫
(
つかま
)
りながら
背向
(
うしろむ
)
きにドッと辷り下りる。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
(市川菅女。)と
莞爾々々
(
にこにこ
)
笑って、澄まして袷を
掻取
(
かいと
)
って、襟を合わせて、ト
背向
(
うしろむ
)
きに
頸
(
うなじ
)
を
捻
(
ね
)
じて、
衣紋
(
えもん
)
つきを映した時、早瀬が縁のその棚から、ブラッシを取って
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
女
(
をんな
)
が
一人
(
ひとり
)
、これは
背向
(
うしろむ
)
きで、
三人
(
さんにん
)
がかり、
一
(
ひと
)
ツ
掬
(
すく
)
つて、ぐい、と
寄
(
よ
)
せて、くる/\と
饀
(
あん
)
をつけて、
一寸
(
ちよいと
)
指
(
ゆび
)
で
撓
(
た
)
めて、
一
(
ひと
)
つ
宛
(
づゝ
)
すつと
串
(
くし
)
へさすのを、
煙草
(
たばこ
)
を
飮
(
の
)
みながら
熟
(
じつ
)
と
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
物をも言わず、
背向
(
うしろむ
)
きになったまま、世帯話をするように、先生は小芳に向って
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
早瀬の胸のあたりに、
背向
(
うしろむ
)
きになって、投げ出した
褄
(
つま
)
を、
熟
(
じっ
)
と見ながら
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
水浅黄ちらめかいて、
柔
(
やわ
)
りと
背向
(
うしろむ
)
きに突着けたですだで。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
背
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“背”で始まる語句
背後
背
背負
背中
背丈
背戸
背嚢
背景
背馳
背広