羽柴はしば)” の例文
と、そのとき、羽柴はしば荒旗本あらはたもと脇坂甚内わきざかじんない平野ひらの三十郎、加藤虎之助かとうとらのすけの三人、バラバラと幕屋まくやすそにあらわれて一大事を報告した。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
懐中電灯は、まず羽柴はしば君のを使うことにしよう。三つともいっぺんに使って、電池がきれてしまってはたいへんだからね。さあ、羽柴君それを
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
序幕山崎街道立場たてばの場は明智の雑兵の乱暴を羽柴はしばの侍が制する処なるが合戦中の事としては、百姓が長閑気のどかに酒を呑み女にたわむるるなど無理なる筋多し。
(以後、木下の姓をかえて、羽柴はしばと名のれ。丹羽にわ五郎左衛門の一字と、柴田修理勝家しばたしゅりかついえが一字をとり、羽柴と申すがよい)
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人々は時の天下様である太閤たいこう氏素姓うじすじょうを知りたがった。羽柴はしば筑前守秀吉あたりから後のことは、誰でも知っていたが、その以前の彼を知りたがった。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉の弟、あの中村の茅屋あばらやで、よくピイピイ泣いていた弟の小竹こちくは、いまはすでに、立派な武将となって、羽柴はしば小一郎秀長ひでながと名のり、そのかたわらに業をたすけていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
羽柴はしばと姓を名のって来た一介いっかい藤吉郎とうきちろうが、いつのまにか、今日の大を成し、声望も実力も、故信長以上のものを身に示して、いまや家康一人をのぞくほか、彼にたいして
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「エエ、口がしこいことを申すな。われわれをただの浪人者ろうにんものと思いおるか。おそれ多くも、羽柴はしばどのよりお声がかりで、てんおかたいの取りしまりをなす、南蛮寺なんばんじ番士ばんしだぞ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことに、羽柴はしばじゅ参議秀吉さんぎひでよし入洛じゅらくちゅうのにぎやかさ。——金の千瓢せんなり、あかい陣羽織じんばおり、もえおどし小桜こざくらおどし、ピカピカひかる鉄砲てっぽう、あたらしい弓組、こんな行列が大路おおじ小路こうじに絶えまがない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
猿めいた面貌おもざしをした貧しい旅の一青年に会い、豁然かつぜんと、多年の悪夢や迷妄めいもうからまされて——後に年経て、その時の猿顔の男が、羽柴はしば秀吉と名乗っていることがわかり、随身してひとすじの槍を受け
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨年来、信長公の命をうけて、御幕下の将校、羽柴はしば筑前守秀吉は、中国に攻め入って、この春以来、備中びっちゅう高松城の清水宗治むねはるの頑強な抵抗にくいとめられ、遠征の軍馬は、攻めあぐねているていであった。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まだありますな。前田どの、明智あけちどの、羽柴はしばどの」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なに、羽柴はしばどのに、お目にかかればわかるとか」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)