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羽団扇
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はうちわ
ふりがな文庫
“
羽団扇
(
はうちわ
)” の例文
旧字:
羽團扇
では小さい面が光のぐあいで大きく映ったのかしらと床柱の側まで行って見ると、そこに掛かっているのはただ
羽団扇
(
はうちわ
)
と円い団扇だけであった。
夏目先生の追憶
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
これとても
狩野古方眼
(
かのうこほうげん
)
が始めて夢想したという説もあって、中古には
緋
(
ひ
)
の
衣
(
ころも
)
に
羽団扇
(
はうちわ
)
などを持った
鼻高様
(
はなたかさま
)
は想像することができなかったのである。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「
九仞
(
きゅうじん
)
の上に
一簣
(
いっき
)
を加える。加えぬと足らぬ、加えると
危
(
あや
)
うい。思う人には
逢
(
あ
)
わぬがましだろ」と
羽団扇
(
はうちわ
)
がまた動く。
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
羽団扇
(
はうちわ
)
もなにも持っちゃいなかったし、あたりまえの旅人の
風
(
なり
)
をしていたんだが、その足の
迅
(
はや
)
いこと……すっとすれ違ったと思ったら、あの地蔵辻から
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
カタンという戸の開く音、一挺の駕籠から現われたのは、
緋
(
ひ
)
の衣にときん
篠懸
(
すずか
)
け、
羽団扇
(
はうちわ
)
を持った人物で、天狗の面をかぶっている。すなわち僧正天狗である。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
……こっちの木の葉より、
羽団扇
(
はうちわ
)
の毛でもちっとは
増
(
まし
)
だろうと思うから、お酌をしますとね、(聞け——娘。)と今度はお酌のお
庇
(
かげ
)
で、狐が娘になったんですがね。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨年見た「流行の王様」という映画にも黒白の
駝鳥
(
だちょう
)
の
羽団扇
(
はうちわ
)
を持った踊り子が花弁の形に並んだのを高空から撮影したのがあり、同じような趣向は他にもいくらもあったようであるが
映画雑感(Ⅳ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ただし昔話にある
羽団扇
(
はうちわ
)
を持った、鼻の高い、赤い顔の、あんなのではない。普通の人間で、ちゃんと両親もある、兄弟もある。武州
御岳山
(
おんたけさん
)
で生れたんだ。代々山伏だ。俺の先祖は
常陸坊海尊
(
ひたちぼうかいそん
)
。
怪異暗闇祭
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「古き
壺
(
つぼ
)
には古き酒があるはず、
味
(
あじわ
)
いたまえ」と男も
鵞鳥
(
がちょう
)
の
翼
(
はね
)
を
畳
(
たた
)
んで
紫檀
(
したん
)
の
柄
(
え
)
をつけたる
羽団扇
(
はうちわ
)
で膝のあたりを払う。「古き世に酔えるものなら
嬉
(
うれ
)
しかろ」
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もっとも、手でなんぞ尋常なんじゃなくッて、
羽団扇
(
はうちわ
)
で
払
(
はた
)
いたのかも知れません。……ああ、あの、
緋葉
(
もみじ
)
がちらちらと散りますこと。ひとりで散れば散るんですけれど。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「天王寺の
妖霊星
(
ようれいぼし
)
!」
羽団扇
(
はうちわ
)
で膝をたたきながら、僧正天狗、頼宣卿、さも豪壮に歌いだした。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
書斎の壁にはなんとかいう
黄檗
(
おうばく
)
の坊さんの書の
半折
(
はんせつ
)
が掛けてあり、
天狗
(
てんぐ
)
の
羽団扇
(
はうちわ
)
のようなものが座右に置いてあった事もあった。セピアのインキで細かく書いたノートがいつも机上にあった。
夏目漱石先生の追憶
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
或いは天狗の
羽団扇
(
はうちわ
)
を
欺
(
あざむ
)
き奪う話などと同様に、だんだんに敵の愚かさが誇張せられて、聴く人の高笑いを催さずには置かなかったのは、武勇勝利の物語に、負けて
遁
(
に
)
げた者の弱腰を説くのと
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
羽
常用漢字
小2
部首:⽻
6画
団
常用漢字
小5
部首:⼞
6画
扇
常用漢字
中学
部首:⼾
10画
“羽”で始まる語句
羽
羽織
羽搏
羽二重
羽目
羽根
羽子
羽音
羽衣
羽毛