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おきば
と
思へども、
晴れぬ
不審は
疑ひの
雲に
成りて、
唯一ト
棹の
箪笥の
引出しより、
柳行李の
低はかと
無く
調べて、もし
其跡の
見ゆるかと
探ぐるに、
塵一はしの
置塲も
變らず
嗚呼、
大事切迫/\と、
私は
武村兵曹と
顏を
見合はしたる
儘、
身體の
置塲も
知らぬ
程心を
惱まして
居る、
時しも
忽ち
見る、
遙か/\の
水平線上に
薄雲の
如き
煙先づ
現はれ