經文きやうもん)” の例文
新字:経文
聞しに直にそばなる故尋ねゆきて金子二分取出し葬り呉よと頼みけるに回向院の庵主あんしゆ承知して奇特きどくなることなりと是を葬り香華かうげ手向たむけ經文きやうもんを讀て供養致しければ城富は燒香せうかう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
經文きやうもん讀誦どくじゆ抹香まつかうくさくなりて、むすめらしきにほひはとほかるべしとおもひしに、そのやうのぶりもなく、柳髮りうはついつも高島田たかしまだむすげて、おくすぢえりにださぬたしなみのよさ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いてゐると、經文きやうもんやうな、普通ふつう言葉ことばやうな、一種いつしゆふしびた文字もんじであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたりにふねたるが如く暗夜あんやにともし火をたるが如なりはた經文きやうもんの心をたるが如く也此經文きやうもんの心にて見ればうゑたるものしよくを得たるか旅人りよじんのこめなればひとへにはだかなる者衣類いるゐ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)