痛切つうせつ)” の例文
だがもし、これで立ちあがって兵太郎君がベソをかいていたら、どんなにやりきれぬだろうということを、久助君は痛切つうせつに感じた。
久助君の話 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そして、その完成までの苦心努力が深ければ深いほど、思ひ出は時には涙ぐみたいほど痛切つうせつであるに違ひない。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
各自かくじ痛切つうせつかんずる程度ていど相違さうゐはあるにしても、問題もんだいくるしめられてるのは事實じじつである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しか他人たにんいたむ一にち其處そこ自己じこのためには何等なんら損失そんしつもなくて十ぶん口腹こうふくよく滿足まんぞくせしめることが出來できる。他人たにん悲哀ひあいはどれほど痛切つうせつでもそれは自己じこ當面たうめん問題もんだいではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その後もなく、ちやうど三うらさき宿屋やどや滯在たいざい中に訃音にせつした時、わたしはまだあまりにまざまざしいそのをり印象いんせうおもひ出させられるだけに、哀悼あいとう持も一そう痛切つうせつだつた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)