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玉簾
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たますだれ
ふりがな文庫
“
玉簾
(
たますだれ
)” の例文
訶和郎
(
かわろ
)
は
兵士
(
つわもの
)
たちの間を脱けると、宮殿の
母屋
(
もや
)
の中へ
這入
(
はい
)
っていった。そうして、広間の裏へ廻って
尾花
(
おばな
)
で編んだ
玉簾
(
たますだれ
)
の
隙間
(
すきま
)
から中を
覗
(
のぞ
)
いた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
冬の雲仙は霧氷で有名であるが、雲仙が霧氷にかけられる時、この鳩穴は
玉簾
(
たますだれ
)
をかけつらねたように数十尺の大氷柱が隙間もなく
懸垂
(
けんすい
)
し、この世ながらの水晶宮を現出するそうである。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
子爵
(
ししやく
)
の
寵愛
(
ちようあい
)
子
(
こ
)
よりも
深
(
ふか
)
く、
兩親
(
おや
)
なき
妹
(
いもと
)
の
大切
(
たいせつ
)
さ
限
(
かぎ
)
りなければ、
良
(
よ
)
きが
上
(
うへ
)
にも
良
(
よ
)
きを
撰
(
え
)
らみて、
何某家
(
なにがしけ
)
の
奧方
(
おくがた
)
とも
未
(
ま
)
だ
名
(
な
)
をつけぬ十六の
春風
(
はるかぜ
)
、
無慘
(
むざん
)
や
玉簾
(
たますだれ
)
ふき
通
(
とほ
)
して
此初櫻
(
このはつざくら
)
ちりかヽりし
袖
(
そで
)
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
玉簾
(
たますだれ
)
の
中
(
なか
)
もれ
出
(
い
)
でたらんばかりの
女
(
をんな
)
の
俤
(
おもかげ
)
、
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
白
(
しろ
)
きも
衣
(
きぬ
)
の
好
(
この
)
みも、
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
色
(
いろ
)
に
照
(
てり
)
榮
(
は
)
えつ。
蹴込
(
けこみ
)
の
敷毛
(
しきげ
)
燃立
(
もえた
)
つばかり、ひら/\と
夕風
(
ゆふかぜ
)
に
徜徉
(
さまよ
)
へる
状
(
さま
)
よ、
何處
(
いづこ
)
、いづこ、
夕顏
(
ゆふがほ
)
の
宿
(
やど
)
やおとなふらん。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
紅梅や見ぬ恋つくる
玉簾
(
たますだれ
)
芭蕉
俳句とはどんなものか
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
卑弥呼は
蒸被
(
むしぶすま
)
を手探りながら闇にまぎれて、尾花の
玉簾
(
たますだれ
)
を押し分けた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
玉
常用漢字
小1
部首:⽟
5画
簾
漢検準1級
部首:⽵
19画
“玉簾”で始まる語句
玉簾瀬