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焚附
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たきつけ
ふりがな文庫
“
焚附
(
たきつけ
)” の例文
「今までの竹の胡麻穂だと燐寸一本で、火が一面にひろがるからね、まるで家の周囲に燃えやすい
焚附
(
たきつけ
)
を置いていたようなものなんだ。」
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
杉籬の
剪
(
はさ
)
みすてが
焚附
(
たきつけ
)
になり、落葉の掃き寄せが腐って肥料になるも、皆時の
賜物
(
たまもの
)
である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
……
凩
(
こがらし
)
に
吹
(
ふ
)
かれぬ
前
(
まへ
)
に、
雪国
(
ゆきぐに
)
の
雪
(
ゆき
)
が
不意
(
ふい
)
に
来
(
き
)
て、
其
(
そ
)
のまゝ
焚附
(
たきつけ
)
にも
成
(
な
)
らずに
残
(
のこ
)
つた、
冬
(
ふゆ
)
の
中
(
うち
)
は、
真白
(
まつしろ
)
な
寐床
(
ねどこ
)
へ
潜
(
もぐ
)
つて、
立身
(
たちみ
)
でぬく/\と
過
(
す
)
ごしたあとを、
草枕
(
くさまくら
)
で
寐込
(
ねこ
)
んで
居
(
ゐ
)
た
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……寝つけない夜床の上で、彼はよく茫然と終末の日の予感におののいた。
焚附
(
たきつけ
)
を作るために、彼は朽木に
斧
(
おの
)
をあてたことがある。すると無数の
羽根蟻
(
はねあり
)
が
足許
(
あしもと
)
の地面を
匐
(
は
)
い廻った。
苦しく美しき夏
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
インフレーションによって人間の社会的良心さえも、その
焚附
(
たきつけ
)
にしてしまっている竈の、ポッカリと大きくあいた口である。又、いくら洗っても清潔になりきらないおむつの長い列である。
人間の結婚:結婚のモラル
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
もう
焚附
(
たきつけ
)
がぱちぱち云って、
燄
(
ほのお
)
の舌が閃きました。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
二十六、七の若いものに、
畠
(
はたけ
)
いじりは第一無理だし、南瓜の
蔓
(
つる
)
は
焚附
(
たきつけ
)
にもならぬ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ジャンと来て見ろ、全市
瓦
(
かわら
)
は数えるほど、
板葺屋根
(
いたぶきやね
)
が半月の上も照込んで、
焚附
(
たきつけ
)
同様。——何と私等が高台の町では、時ならぬ
水切
(
みずぎれ
)
がしていようという場合ではないか。土の底まで
焼抜
(
やきぬ
)
けるぞ。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
焚
漢検準1級
部首:⽕
12画
附
常用漢字
中学
部首:⾩
8画
“焚”で始まる語句
焚
焚火
焚木
焚付
焚物
焚口
焚殺
焚死
焚落
焚出