火元ひもと)” の例文
たとひ四邊あたり火災かさいおそれがないようにかんがへられた場合ばあひおいても、遠方えんぽう火元ひもとから延燒えんしようしてることがあるからである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
平次は、事件の火元ひもとをお關と見たのです。これほどの美しい娘が、涙乍らに頼んだとしたら、どんな恐ろしい事が起るか、よく解るやうな氣がしたのです。
「おきなさるな、くまい。……いま火元ひもとしんぜる。」
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これが氣附きづかれたときは、一旦いつたん集合しゆうごうしてゐた消防隊しようぼうたい解散かいさんしたのちであり、また氣附きづかれたのち倒潰家屋とうかいかおくみちふさがれて火元ひもとちかづくことが困難こんなんであつたなどの不利益ふりえき種々しゆ/″\かさなつて
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
二箇所にかしよ火元ひもとゆきもつしにかゝつたが、祖母そぼいへよりも身體からだ大事だいじだといつて重幸少年しげゆきしようねんせいしたけれども、少年しようねんはこれをきかないで、幾度いくどゆきはこんでて、つひめたといふ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)