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渉猟
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しょうりょう
ふりがな文庫
“
渉猟
(
しょうりょう
)” の例文
依
(
よっ
)
て此間
中
(
じゅう
)
よりギボン、モンセン、スミス等諸家の著述を
渉猟
(
しょうりょう
)
致し
居候
(
おりそうら
)
えども
未
(
いま
)
だに発見の
端緒
(
たんしょ
)
をも
見出
(
みいだ
)
し得ざるは残念の至に
存候
(
ぞんじそろ
)
。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから日本人の書いたドイツ文や、日本人のドイツ語から訳した国文を
渉猟
(
しょうりょう
)
して見たが、どれもどれも
誤謬
(
ごびゅう
)
だらけである。
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此
(
こ
)
の一文を
草
(
そう
)
するに当っても、何一つとして先人の手に成った権威ある文献を
渉猟
(
しょうりょう
)
してはいないため、一般の定説や
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
和漢洋の歴史いずれなりとも汝の意に任せて
渉猟
(
しょうりょう
)
し見よ、貧苦における汝の友人は多きこと蒼天の星の数のごとし。
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
探せばあるに違いないのだが、私などは十八世紀以前の文学となると、きわめて縁遠く、
渉猟
(
しょうりょう
)
の力も機会もないので、しばらく
諦
(
あきら
)
めているというにすぎない。
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
単にこの一語の応用を正確にするためにも、なお上古の文籍を
渉猟
(
しょうりょう
)
していなければならなかった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
一日、古書を
渉猟
(
しょうりょう
)
中、ふと、ある疑いにとらわれた。今迄、全然考えたこともなかった疑だけに、初めは、邪神セットの誘惑ではないかと思って、それを
斥
(
しりぞ
)
けようとした。
セトナ皇子(仮題)
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
自分は、数年来この二つの疑問に対して、何等の手がかりをも得ずに、空しく東西の
古文書
(
こもんじょ
)
を
渉猟
(
しょうりょう
)
していた。が、「さまよえる猶太人」を取扱った文献の数は、非常に多い。
さまよえる猶太人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「しかしどうかまげてお話しください。あなたはむろん、古書はふかくご
渉猟
(
しょうりょう
)
でしょうな。」
幸福のうわおいぐつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そこで、
種々
(
いろいろ
)
と小説本を
渉猟
(
しょうりょう
)
して、
終
(
つい
)
に当代の大家の作に及んで見ると、
流石
(
さすが
)
は明治の小説家だ、性慾の発展の描写が
巧
(
たくみ
)
に人生観などで
潤色
(
じゅんしょく
)
されてあって、趣味がある、面白い。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
作者として抜群なのみでなく、『万葉』『古今』等の古典的歌集はもちろんのこと、そのほかに物語類、歴史類にもかなり通暁し、また漢籍の
渉猟
(
しょうりょう
)
においても浅からざるものがあった。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
事実、先生はよく葛岡と一緒になって林中を
渉猟
(
しょうりょう
)
していることがあります。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
アナトール・ル・ブラの「ブリトン伝説学」やガウルドの「オールド・ニック」までも
渉猟
(
しょうりょう
)
して、性別転換の深奥に潜んでいて犯罪動機に符合するものを、中欧
死神
(
アンカウ
)
口碑の中に見出そうとした。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「それに就いて、御隠家様には、まだ月江様がお小さいうちから、ほとんど十幾年の間、本草書類や伝家の古書を
渉猟
(
しょうりょう
)
して、その
夭折
(
わかじに
)
の病源をたずね、やっと、一つの奇薬を見つけたのでござる」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
探偵小説執筆のかたわらひそかに古来の文献を
渉猟
(
しょうりょう
)
し、研究をつづけていたのである。
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
弘
(
ひろ
)
く群書を
渉猟
(
しょうりょう
)
して見るまでもなく、我々の酒がもと入用に先だって
醸
(
かも
)
されたこと、全然太平洋島民のクヴァも同じであったことは、今なおこれを記憶する人があるくらいである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
或
(
あ
)
る時ドイツのバルテルスの『文学史』の序を読むと、バルテルスが多く書を読もうとして、廉価の本を
渉猟
(
しょうりょう
)
し、『文学史』に引用した諸家の書も、大抵レクラム版の書に過ぎないといってあった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その上にあれほど多くの文献を
渉猟
(
しょうりょう
)
したにもかかわらず、あまり時代が近いために、同じ方法を芭蕉翁の俳諧には及ぼさなかったのである。豊富なる資料は我々のために取残されている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
渉
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
猟
常用漢字
中学
部首:⽝
11画
“渉”で始まる語句
渉
渉漁
渉取
渉河
渉水禽