消防夫ひけし)” の例文
やがて馬車ばしやがあるまちとほりましたときに、とうさんははじめて消防夫ひけし梯子登はしごのぼりといふものをました。たか梯子はしごつたひとまちそら手足てあしうごかしてました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
白皙蒲柳はくせきほりうしつず、越中国えつちうのくに立山たてやまつるぎみねゆきを、先頭せんとうだい四十何人目なんにんめかに手鈎てかぎけた、登山とざんにおいては、江戸えど消防夫ひけしほどの侠勢きほひのある、この博士はかせことばしんずると、成程なるほど
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
消防夫ひけしとびといって、梯子はしご持ち、まとい持ちなどなかなか威勢のいものであるが、その頃は竜吐水りゅうどすいという不完全な消火機をもって水をはじき出すのがせきやまで、実際に火を消すという働きになると
こういう時には一層消防夫ひけしの働きがすさまじかった。