-
トップ
>
-
活動寫眞
>
-
くわつどうしやしん
……
片側へ
並べて
崖添ひに、
凡そ一
間おきぐらゐに、
間を
籠めて、
一二三堂と
云ふ、
界隈の
活動寫眞の
手で
建てた、
道路安全の
瓦斯燈がすく/\ある。
そして、ふらふらしながら
歩き
續けてゐる
内に
現實的な
意識は
殆ど
消えて、
變にぼやけた
頭の
中に
祖母や
友達の
顏が
浮び
上つたり、三四
日前にK
館で
見た
活動寫眞の
場面が
走つたりした。
いそがしき
活動寫眞煤びたる布に映すと
……
船中にて
然やうな
事は
申さぬものだが、
龍宮場末の
活動寫眞が
宣傳をするやうな
風説を
聞いて、
乘らざるべけんやと、
旅費の
苦しいのが
二人づれで
驅出した。