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汲込
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くみこ
ふりがな文庫
“
汲込
(
くみこ
)” の例文
眉山の家は
本郷
(
ほんごう
)
の
春木町
(
はるきちょう
)
の下宿屋であった。学校から帰ると、
素裸
(
すっぱだか
)
になって井戸の水を
汲込
(
くみこ
)
みつつ大きな声で女中を
揶揄
(
からか
)
っていた。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「同役(といつも云う、
士
(
さむらい
)
の
果
(
はて
)
か、
仲間
(
ちゅうげん
)
の上りらしい。)は番でござりまして、
唯今
(
ただいま
)
水瓶
(
みずがめ
)
へ水を
汲込
(
くみこ
)
んでおりまするが。」
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
妻
(
つま
)
や
待
(
まつ
)
らん
夕烏
(
ゆふがらす
)
の
聲
(
こゑ
)
に
二人
(
ふたり
)
とり
膳
(
ぜん
)
の
菜
(
さい
)
の
物
(
もの
)
を
買
(
か
)
ふて
來
(
く
)
るやら、
朝
(
あさ
)
の
出
(
で
)
がけに
水瓶
(
みづがめ
)
の
底
(
そこ
)
を
掃除
(
さうぢ
)
して、一日
手桶
(
てをけ
)
を
持
(
も
)
たせぬほどの
汲込
(
くみこ
)
み、
貴郎
(
あなた
)
お
晝
(
ひる
)
だきで
御座
(
ござ
)
いますと
言
(
い
)
へば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と呼びかける
頬
(
ほっ
)
ペタの赤い太郎の顔や、その太郎が
汲込
(
くみこ
)
んで燃やし付けた孫風呂の煙が、山の斜面を切れ切れに
這
(
は
)
い上って行く形なぞを、過去と現在と重ね合わせて頭の中に描き出すのであった。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「どういたしまして、ええ、水をって申しますと、
平時
(
いつも
)
のとおり裏長屋の婆さんが
汲込
(
くみこ
)
んで行ったと
仰有
(
おっしゃ
)
るんで、へい、もう根っから役に立ちません。」と膝を
擦
(
さす
)
ったり、
天窓
(
あたま
)
を掻いたり。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
汲
漢検準1級
部首:⽔
7画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“汲”で始まる語句
汲
汲々
汲取
汲出
汲水場
汲上
汲分
汲替
汲交
汲桶