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夕烏
読み方 | 割合 |
ゆうがらす | 66.7% |
ゆふがらす | 33.3% |
「げに歌人、詩人といふは
可笑しきものかな。蝶二つ飛ぶを見れば、必ず
女夫なりと思へり。
塒に
還る
夕烏、
嘗て曲亭馬琴に告げて
曰く、おれは
用達に行くのだ」
時はすでに午後四時過ぎ、
夕烏の声
遠近に聞こゆるころ、座敷の騒ぎを
背にして日影薄き
築山道を
庭下駄を踏みにじりつつ上り行く
羽織袴の男あり。こは武男なり。
妻や
待らん
夕烏の
聲に
二人とり
膳の
菜の
物を
買ふて
來るやら、
朝の
出がけに
水瓶の
底を
掃除して、一日
手桶を
持たせぬほどの
汲込み、
貴郎お
晝だきで
御座いますと
言へば