水車場すいしゃば)” の例文
星あかりで見ると、その燕作えんさくは、水車場すいしゃばのすぐ上のがけに、竹童ちくどうをかかえたまま、だらりと木の根に引っかかっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おんなは、まえ水車場すいしゃばおとことついだのことをわすれて、いまのおっとを、なによりもたいせつにおもうようになりました。
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
庭を貫く流れはかどの前を通ずるみちを横ぎりて直ちに林に入り、林をずれば土地にわかにくぼみて一軒の茅屋くさやその屋根のみを現わし水車みずぐるまめぐれり、このあたりには水車場すいしゃば多し
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
水車場すいしゃばがよいの小荷駄こにだうま
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
水車場すいしゃばへ小走りに用よし雀
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
やっとあるくようなちいさなときから、あめ太鼓たいこきで、そのあとって、になったことがあるし、水車場すいしゃばのそばをとおれば、じっとちどまって、くるまおとみみをすましたものだ。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつも、ぐるぐるとまわっている水車場すいしゃばくるままっていました。また、いつもさらさらといってながれている小川おがわみずも、まってうごきませんでした。みんなさむさのためにこおってしまったのです。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしてふもとの水車場すいしゃばから、かすかにくるまおとがきこえてきました。
谷にうたう女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
水車場すいしゃばには、らぬひとはいってまうようになりました。
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)