氣紛きまぐれ)” の例文
新字:気紛
全くうでないともはれぬので、俊男としをは默ツて、ニヤ/\してゐたが、ふいと、「そりや人には氣紛きまぐれといふものがあるさ。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
だから其所そこふにしのびない苦痛くつうがあつた。彼等かれら殘酷ざんこく運命うんめい氣紛きまぐれつみもない二人ふたり不意ふいつて、面白おもしろ半分はんぶんおとしあななかおとしたのを無念むねんおもつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うさ、氣紛きまぐれでもなけア、おれにはお前を虫干にしてる同情さへありやしない。正直なところがな。」と思切おもひきツていふ。感情がたかまツて來たのか、まぶたのあたりにぽツとべにをさす。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
もとより一時の出來心や、不圖ふとした氣紛きまぐれでは無かツたのであるから、さて是れが容易よういに解決される問題で無い。第一つまとしてむかへ取るには餘りに身分の懸隔けんかくがある。家庭かていは斷じて此の結婚けつこん峻拒しゆんきよする。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「ぢや、氣紛きまぐれわたくし虫干むしぼしになさるんですか。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)