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毛
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まう
一
房の
繩が七
錢五
毛で一
足の
草鞋が一
錢五
厘といふ
相場だからどつちにしても一
日熱心に
手を
動かせば
彼は六七
錢の
儲を
獲るのである。
日来は
一七一一
毛をもぬかざるが、何の
報にてかう良からぬ心や出できぬらん。
一七二他よりあらはれなば此の家をも
絶されん。
祖の為
子孫の為には、不孝の子一人惜しからじ。
「四十六
錢八
厘六
毛三
朱と
成るんだが、
此りや八
厘として
貰つてな」と
商人は
財布から
自分の
手へ
錢を
明けた。
「五
錢五
厘六
毛幾らつていふんだ、さうすつと
先刻のは
幾らの
勘定だつけな」