“死(まか)” の例文
一一八呆自(あきれ)て足の踏所(ふみど)さへ失(わす)れたるやうなりしが、熟(つらつら)おもふに、妻は既に死(まか)りて、今は狐狸の住みかはりて、かく野らなる宿となりたれば
辛未(かのとひつじ)、皇太子、使を遣(また)して飢者を視しむ。使者還(かへ)り来て曰く、飢者既に死(まか)りぬ。爰(ここ)に皇太子大(おほい)に之(これ)を悲しみ、則ち囚(よ)りて以て当処(そのところ)に葬(ほふり)埋(をさ)めしむ。墓(つか)固(つき)封(かた)む。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
妻なるものも死(まか)りしと見えて、壠(つか)の設(まうけ)も見えつるが、一三〇いつの年にともなきに、一三一まさりて悲しく侍り。しらせ給はば教へ給へかし。主(あるじ)の男いふ。一三二哀れにも聞え給ふものかな。
興義これより病愈(い)えて、杳(はるか)の後八三天年(よはひ)をもて死(まか)りける。其の終焉(をはり)に臨みて、画(ゑが)く所の鯉魚数枚(すまい)をとりて湖(うみ)に散(ちら)せば、画ける魚八四紙繭(しけん)をはなれて水に遊戯(いうげ)す。ここをもて興義が絵世に伝はらず。