歸路きろ)” の例文
新字:帰路
母馬おやうまうるささにがつかりして歸路きろにつきました。まちはづれまでくると、仔馬こうまきふあるきだしました。はやくいへへかへつておちゝをねだらうとおもつて。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
歸路きろについた。白雲の瀧、かさゝぎの橋は矢張り好い感じを人に與へる。歸りは上りになるのと、一度でも歩いた路なのとで、嶮峻の感じを大に薄くする。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かはあれども御使者おししや歸路きろにつきたまひしのちしてのことばいまわすがたし、御身おんみ竹村たけむらゆかしとおぼすか、みどりどのとやらしたはしくおもたまふか、さらばいかばか雪三せつざうにくしとおぼすなるべし
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふたゝ幼女えうぢよ背負せおひて、歸路きろいた。