ゆがみ)” の例文
かれは為方しかたなしに舟をもと来た水脈の上にしずかに戻した。かれの顔容は寂しいゆがみをもちながら、目は桃花村の方にそそがれていたのである。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
すこしの手違てちがひに突入つきいつてつてかゝり、山上さんじやう大激論だいげきろんはじまり、警務長けいむちやう郡長ぐんちやう代議士だいぎしなどがなかつて、かくゆがみなりの圓滿ゑんまん?にきよくむすび、一中止ちうしして發掘はつくつつゞけることとなつたが
あすこの雑多性、それの時代的ゆがみなど。作家イバニエスの故国においてにしろ、そういう要素が活躍したのですから。簡単に燃え、たやすく消える装飾の灯かざりというものはいつもある。
それからこれ安之助やすのすけ共同きようどうして失敗しつぱいした仕事しごとであるが、叔母をば云付いひつけで、障子しやうじらせられたときには、水道すゐだうでざぶ/\わくあらつたため、矢張やつぱかわいたあとで、惣體そうたいゆがみ出來でき非常ひじやう困難こんなんした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それからこれも安之助と共同して失敗した仕事であるが、叔母の云いつけで、障子を張らせられたときには、水道でざぶざぶわくを洗ったため、やっぱり乾いた後で、惣体そうたいゆがみができて非常に困難した。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)