横行おうこう)” の例文
ロンドンでリッパア騒動が終塞しゅうそくするとまもなく、その翌年の初夏、同じような悪鬼的横行おうこうが今度はマナガ市の心胆しんたんを寒からしめている。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
このごろは、あきすや、どろぼうが、横行おうこうするというから、むりもないが、ここをとおるものが、みんなわたしかおをつめたいつきでていく。
春さきの朝のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
孫堅は父に伴われて、銭塘せんとう地方へ旅行したことがある。当時、銭塘地方の港場は、海賊の横行おうこうが甚だしくて、その害をこうむる旅船や旅客は数知れないくらいだった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後暴人ぼうじん江戸市街しがい横行おうこうし、良家りょうか闖入ちんにゅうして金銭をかすむるのうわさありし時も、先生すこぶる予が家を憂慮ゆうりょせられ、特に塾員じゅくいんめいじ、きたって予が家に宿泊しゅくはくせしめ、昼夜ちゅうや警護けいごせられたることあり。
娘は山賊に捕われた事を、小児心こどもごころにも知っていたけれども、かた言付いいつけられて帰ったから、その頃三ヶ国横行おうこう大賊たいぞくが、つい私どものとなりうちへ入った時も、なんにも言わないで黙っていました。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すなわち我が邦の人、横行おうこうの文字を読み習うるの始めなり。
慶応義塾の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「さて、この夜中に、黒装束くろしょうぞく横行おうこうするやからは、いずれ、盗賊とうぞくのたぐいであったかもしれませぬ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうなると、もうこれは、自由自在に出没横行おうこうする悪鬼デイモン仕業しわざだと人々は言いあった。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
自分の根城ねじろだった兗州えんしゅうを失地し、その上、いなご飢饉ききんやくにも遭いなどして、ぜひなく汝南じょなん潁川えいせん方面まで遠征して地方の草賊を相手に、いわゆる横行おうこうをやって苦境をしのいでいたが
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
をもって横行おうこうするやからの顔色がんしょくをなくしてやろうぞ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)