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柳絮
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りゅうじょ
ふりがな文庫
“
柳絮
(
りゅうじょ
)” の例文
朝
(
あした
)
に
美姫
(
びき
)
の肩の
柳絮
(
りゅうじょ
)
を払い、
夕
(
ゆう
)
べに
佳酒
(
かしゅ
)
を
瑠璃杯
(
るりはい
)
に盛って管絃に酔う耳や眼をもっては、忠臣の諫言は余りにもただ苦い気がした。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その拍子にふと見れば、こはそも
如何
(
いか
)
に男は
間違
(
まが
)
う
方
(
かた
)
なく若旦那
柳絮
(
りゅうじょ
)
、女はわが家に
隠匿
(
かくま
)
ったお
園
(
その
)
ではないか。しまった事をした。情ない事をした。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
遠くで、遅い
柳絮
(
りゅうじょ
)
が一面に吹き荒れた雪のように茫々として舞い上った。彼はこっそりと盗んでおいた宮子の
手巾
(
ハンカチ
)
をポケットから取出すと鼻にあてた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
時折西北の風が
爽
(
さわやか
)
に吹き下ろして来ると、枝や葉が一斉に
靡
(
なび
)
いて、其間から無数の
柳絮
(
りゅうじょ
)
が真白な綿をちぎって飛ばすように、ふわりふわりと飛んで行く、まるで牡丹雪が降っているようだ。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
以前も一度
上海
(
シャンハイ
)
郊外の工場を見に行った折に、いわゆる
柳絮
(
りゅうじょ
)
の漂々たる行くえを見送ったことがあったが、総体に旅客でない者は、土地のこういう毎年の風物には、深く心を留めようとはせぬらしい。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
旧城市
柳絮
(
りゅうじょ
)
とぶことしきりなり
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
いきなりさっと
柳絮
(
りゅうじょ
)
の闇を破った物凄い小六の掛け声。と見る間にピラピラッと闇を縫って飛んだ投げ槍——ああ悪魔の毒槍。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金殿玉楼
(
きんでんぎょくろう
)
その影を
緑波
(
りょくは
)
に流す処
春風
(
しゅんぷう
)
に
柳絮
(
りゅうじょ
)
は雪と飛び
黄葉
(
こうよう
)
は
秋風
(
しゅうふう
)
に
菲々
(
ひひ
)
として舞うさまを
想見
(
おもいみ
)
れば
宛
(
さなが
)
ら青貝の
屏風
(
びょうぶ
)
七宝
(
しっぽう
)
の古陶器を見る如き色彩の眩惑を覚ゆる。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
寄
(
よ
)
せ
書
(
がき
)
の葉書の上を
柳絮
(
りゅうじょ
)
飛ぶ
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
全くどうにも仕様のないこの場合に立至っては今更のめのめと
柳絮
(
りゅうじょ
)
が親元の紙問屋へ相談にも行かれず
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
源内と
柳絮
(
りゅうじょ
)
とは、
荷亭
(
かてい
)
の宅できって貰った
芍薬
(
しゃくやく
)
の花をブラさげていた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
種彦は最初一目見るが早いか、
忍
(
しのび
)
入った
彼
(
か
)
の男というはほど遠からぬ
鳥越
(
とりごえ
)
に立派な店を構えた紙問屋の若旦那で、一時
己
(
おの
)
れの弟子となった処から
柳絮
(
りゅうじょ
)
という俳号をも与えたものである事を知っていた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
柳絮
(
りゅうじょ
)
という新地の
芸妓屋
(
げいこや
)
の
主
(
あるじ
)
が、
相槌
(
あいづち
)
を打った。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柳絮飛時花満城
柳絮
(
りゅうじょ
)
の飛ぶ時
花
(
はな
)
城
(
しろ
)
に
満
(
み
)
つ
十九の秋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
柳
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
絮
漢検1級
部首:⽷
12画
“柳絮”で始まる語句
柳絮行