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松柏
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しょうはく
ふりがな文庫
“
松柏
(
しょうはく
)” の例文
また、
道士
(
どうし
)
たちの住む
墻院
(
しょういん
)
、仙館は、峰谷々にわたり、
松柏
(
しょうはく
)
をつづる黄や白い花は
猿
(
ましら
)
や鶴の遊ぶ
苑
(
にわ
)
といってもよいであろうか。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
片方を花の木とすれば、片方は
松柏
(
しょうはく
)
の色を変えぬ姿に比べられるだろう。これこそ一生の妻にふさわしい女だ、と登は思った。
赤ひげ診療譚:08 氷の下の芽
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と山三郎は無理に馬作の手を引いてだん/\
行
(
ゆ
)
くと、山手へ出ましたが、道もなく、
松柏
(
しょうはく
)
生繁
(
おいしげ
)
り、
掩冠
(
おいかぶ
)
さったる熊笹を
蹈分
(
ふみわ
)
けて参りますと
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見なれている
幽谷
(
ゆうこく
)
のしらべをつくる
松柏
(
しょうはく
)
の
類
(
たぐい
)
は、少しも経之に
常日頃
(
つねひごろ
)
のしたしい風景にならずに、どこか、素っ気ない
他処
(
よそ
)
の庭を見るようなはなれた気持であった。
野に臥す者
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
松柏
(
しょうはく
)
月を
掩
(
おお
)
ひては、暗きこといはんかたなく、
動
(
やや
)
もすれば岩に足をとられて、
千仞
(
せんじん
)
の
渓
(
たに
)
に落ちんとす。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
▼ もっと見る
道がわかればいはゆる家事が非常に愉快なる、非常に大切なることとなる
筈
(
はず
)
に候。又芸に秀づる人は、
譬
(
たと
)
へば花ばかり咲く草木の如し。
松柏
(
しょうはく
)
などは花は無きに同じ。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
松柏
(
しょうはく
)
もてその首を穿てばすなわち死すと、故に今柏を墓上に
種
(
う
)
えてその害を防ぐなりと。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そうすると、右手の
松柏
(
しょうはく
)
の茂った森の中から、やさしい声が起りました
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この方には漢名はないということである。鴎外は
専
(
もっぱ
)
ら漢土の文献について説を立てているのであるが、楸は漢土では
松柏
(
しょうはく
)
の熟語と殆ど同義に用いられ、めでたい木で、しかも大木になるとある。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
地上はすべて新緑である、あまり葉の
換
(
かわ
)
らない
松柏
(
しょうはく
)
さえも、目立って若々しい。桃色や青白い大きい、様々な花が、眼の前に、まだハッキリと見えるが、遠方はとぎれとぎれの
靄
(
もや
)
に
蔽
(
おお
)
われている。
不周山
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
千年を経た
松柏
(
しょうはく
)
のごときこの家のあるじ——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ゆさぶり落ちる
松柏
(
しょうはく
)
の夜露と共に、人のささやきも
黒衣
(
くろご
)
の影も、いつのまにか諏訪の森から消えていました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
只今は川岸の土が崩れて余程
平坦
(
たいら
)
になりましたが、其の頃は削りなせる
断崖
(
がけ
)
で、
松柏
(
しょうはく
)
の根株へ
頭
(
かしら
)
を打付け、脳を破って血に染ったなり落ると、下を通りかゝったは荷足船で
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さらにはまた、世の中をこんなかたちにまで荒した張本人は尊氏ではないかと、彼の虫のいい
隠棲
(
いんせい
)
のねがいなどは、山林の
松柏
(
しょうはく
)
もゆるさじと吠え
拒
(
こば
)
むもののように見えた。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此方
(
こちら
)
を遅く立ちましたから、月岡へ泊れば少し早いなれども丁度
宜
(
よ
)
いのを、長い峠を越そうと
無暗
(
むやみ
)
に峠へ掛りますると、
松柏
(
しょうはく
)
生茂
(
おいしげ
)
り、下を見ると谷川の流れも
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
より見え
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
松
常用漢字
小4
部首:⽊
8画
柏
漢検準1級
部首:⽊
9画
“松柏”で始まる語句
松柏森々