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朱実
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あけみ
ふりがな文庫
“
朱実
(
あけみ
)” の例文
旧字:
朱實
八十馬の毒牙にかかろうとして救われたことのある
朱実
(
あけみ
)
でもおればだが——
他
(
ほか
)
にその説明をする者としては、宇宙あるのみであるが
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうして、彼の厚い二つの唇は、兵士たちの最後の者が、
跛足
(
びっこ
)
を引いて
朱実
(
あけみ
)
を食べながら、宮殿の方へ去って行っても開いていた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
たかだかと冬木の
朱実
(
あけみ
)
垂りにけりきびしくも
凍
(
し
)
むか向ひ墓原
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
朱実
(
あけみ
)
や、開けておあげ。どうせ
落人
(
おちゅうど
)
だろうが、雑兵なんか、
御詮議
(
ごせんぎ
)
の勘定には入れてないから、泊めてあげても、気づかいはないよ」
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、数種の
行器
(
ほかい
)
が若者の前に運ばれた。その中には、
野老
(
ところ
)
と
蘿蔔
(
すずしろ
)
と
朱実
(
あけみ
)
と粟とがはいっていた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
▼ もっと見る
「
朱実
(
あけみ
)
という女でございますよ。……ほれ、親方様が、木曾路で見かけて、女郎にならぬかといって、お抱えになった、旅の娘っ子で」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
覆
(
くつがえ
)
った
酒瓮
(
みわ
)
から酒が流れた。そうして、
海螺
(
つび
)
や
朱実
(
あけみ
)
が立ち籠めた酒気の中を杉戸に当って散乱すると、再び数本の剣は一斉に若者の胸を狙って進んで来た。
身屋
(
むや
)
の外では
法螺
(
ほら
)
が鳴った。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「そうそう、その又八ってえ方の野郎は、もぐさ屋のお甲と
朱実
(
あけみ
)
を連れて、すぐあの晩、夜逃げしてしまった。……今頃、どうしていやがるか」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御飯をたべるまも、子の泣き声が耳にあって、いそがしげに、飯屋のめしを喰べて来た
朱実
(
あけみ
)
は、そこの軒から駈けて来て
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海鳴りと松かぜに暮れてゆく障子のうちに、
朱実
(
あけみ
)
はうつらうつら
昏睡
(
こんすい
)
していた。枕を当てがわれると急に発熱して、頻りとそれからは
囈言
(
うわごと
)
をいう。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱実
(
あけみ
)
は、籠から
蒼空
(
あおぞら
)
へ出た
小禽
(
ことり
)
のような自由を持ったが、なんといっても、いちど海で仮死の状態になった体である。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは、伊吹山のよもぎ造り——後には娘の
朱実
(
あけみ
)
を
囮
(
おとり
)
に、京都で遊び茶屋をしていた、あの後家のお甲であった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
阿国
(
おくに
)
歌舞伎でおぼえた小歌を
口誦
(
くちずさ
)
みながら、
朱実
(
あけみ
)
は、家の裏へ下りて、高瀬川の水へ、
洗濯物
(
あらいもの
)
の布を投げていた。布を
手繰
(
たぐ
)
ると、
落花
(
はな
)
の渦も一緒に寄って来た。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分のみでなく、
朱実
(
あけみ
)
にもそうさせる、性質が派手ずきなのだ、いつまでも若い日でありたい
質
(
たち
)
なのだ。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱実
(
あけみ
)
も今は、彼に奉じる特殊な
側女
(
そばめ
)
となっているし——もっと驚くべきことには、武蔵が、手しおにかけて数年も愛育して来た少年城太郎までが、いつのまにか
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ
朱実
(
あけみ
)
という女性を思いうかべると、ふと厭な気持がして、希望に暗いかげを
映
(
さ
)
してくるが、それとても、武蔵に対する強固な信頼にくらべれば物の数でもない
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱実
(
あけみ
)
はじっと息をころして隠れていた。花桐というのは、角屋へ来てからの自分の名である。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つい先頃、大坂の河端で、ふと見かけた又八が、後を追って行き会った、
朱実
(
あけみ
)
であった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それを、
穿
(
ほ
)
じり出す気なら、何も
朱実
(
あけみ
)
に前触れはさせておかぬ。野武士の
掟
(
おきて
)
がある手前、一応は、家捜しもするが、今度のところは大目に見て
宥
(
ゆる
)
しているのだ。お慈悲だと思え」
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隣家
(
となり
)
の運平親方は、前から又八へ、よくそういってくれていたが、
朱実
(
あけみ
)
は首を振って
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何も知らずに留守居をしていた
朱実
(
あけみ
)
の身は奉行所の手に今、保護されている。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見ると、それは城太郎にも覚えのある——つい八日前の元日の朝——五条大橋のたもとで、
朱実
(
あけみ
)
と
囁
(
ささや
)
いていた武蔵へ向い、人をばかにしたような大笑いを捨てて去った佐々木小次郎であった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……ああ、
朱実
(
あけみ
)
だ。……朱実にちがいない」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よう、
朱実
(
あけみ
)
か」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱
常用漢字
中学
部首:⽊
6画
実
常用漢字
小3
部首:⼧
8画
“朱”で始まる語句
朱
朱塗
朱雀
朱鞘
朱鷺色
朱欒
朱羅宇
朱総
朱泥
朱房