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ふりがな文庫
“
最寄
(
もよ
)” の例文
こういう時には私の父は、前にも申した通り、至って忠実な人であるから、隠居仕事に学校
最寄
(
もよ
)
りの方面を方々と探して歩きました。
幕末維新懐古談:72 総領の娘を亡くした頃のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
私はこのような考えを正す目的で、時々
最寄
(
もよ
)
りの停留所に立って、懐中時計を手にしては、そこを通過する電車のトランシットを測ってみた。
電車の混雑について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
旅人をつかまえて火種を借りるというわけにもゆかないし、どうしても
最寄
(
もよ
)
りの百姓家へでも行って、火打道具を無心しなければならない羽目です。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
魂のなかから自由に流れ出すからこそ書く、ということなんだ。(デスクに
最寄
(
もよ
)
りの窓を、誰かが
叩
(
たた
)
く)なんだろう? (窓を
覗
(
のぞ
)
く)なんにも見えない。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
事実、ジャックが、近づく馬車の音にあわてて、
屍
(
し
)
体を離れ、
最寄
(
もよ
)
りの暗い壁へでも身を
貼
(
は
)
りつけたとたんに、発見者の馬車がはいってきたものに相違ない。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
▼ もっと見る
そのかわり、大雨ごとにやって来る河水の
氾濫
(
はんらん
)
が旅行を困難にする。そのたびに旅人は
最寄
(
もよ
)
り最寄りの宿場に
逗留
(
とうりゅう
)
して、道路の開通を待つこともめずらしくない。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
葉子の胸をどきんとさせるほど高く、すぐ
最寄
(
もよ
)
りにある
増上寺
(
ぞうじょうじ
)
の除夜の鐘が鳴り出した。遠くからどこの寺のともしれない鐘の声がそれに応ずるように聞こえて来た。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
僕の家から
最寄
(
もよ
)
りの駅へ行く途中に芋屋がある。芋屋と云っても専門の芋屋ではない。爺さんが買出しに出かけて担いできたやつを、婆さんが釜で焼いて売っているのだ。
落穂拾い
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
お絹は列び茶屋や夜店の前を通りぬけて、広小路
最寄
(
もよ
)
りの小さい鰻屋の二階へあがった。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それと共に
妾宅
(
しょうたく
)
の
最寄
(
もよ
)
りに自分の身を隠すべき貸間をも同時に捜さねばならぬ事である。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
最寄
(
もよ
)
りの丸の内綜合病院に運び込まれて看護婦の手当を受けている事に気付きましたが、その中に汗まみれになって這入って参りました樫尾は、看護婦に用を云い付けて追い出しました隙に
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
犇
(
ひし
)
ッ! とおめいて一栄三郎をなますにせんものと、
燐閃
(
りんせん
)
、乱れ飛んで栄三郎に包みかけたが、かいくぐった栄三郎、
最寄
(
もよ
)
りの一人に
摚
(
どう
)
ッ! 体あたりをくれると同時に、ただちに振り返って
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
朝にけに時雨なづさふ雜木立
最寄
(
もよ
)
りの丘も
染
(
し
)
みて來にける
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
はじめはお角と炭問屋の主人だけの房州話であったのが、今はお角をさしおいて、
最寄
(
もよ
)
りの人たちが炭問屋の主人を中に置いての房州話となりました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
最寄
(
もよ
)
りの測候所なり気象台なり、あるいは専門家なりへ送ってやるだけの労を惜しまないようにお願いしたい。
凍雨と雨氷
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
御陣屋
最寄
(
もよ
)
りの場所はそこへ松明を取り集めて置いて、入り用の節に渡すはずであるから、その辺のことを心得て不締まりのないようにいたせ、ともありますよ。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
朝にけに時雨なづさふ雑木立
最寄
(
もよ
)
りの丘も
染
(
し
)
みて来にける
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
土蔵のないものは
最寄
(
もよ
)
りの方へ預けると言って
背負
(
しょ
)
い出すものがあり、近村まで持ち運ぶものがある。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そうして、一ぷくしている間に釣台が出来たものですから、すっかり元気を回復した被害者を、ともかくそれに載せて、
最寄
(
もよ
)
りの人家まで運ばせることにしました。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
木曾川が逆流して五条川が
溢
(
あふ
)
れる、といったような不便から、
最寄
(
もよ
)
りの地を物色して、ここへ
鍬入
(
くわい
)
れをしただけの理由だろうと思う、ここでなければならんという要害の地とも思われないね
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
元来定助郷は宿駅の常備人馬を補充するために、
最寄
(
もよ
)
りの村々へ
正人馬勤
(
しょうじんばづと
)
めを申し付けるの趣意であるから、宿駅への距離の関係をよくよく調査した上でないと、定助郷の意味もないとある。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
双方入り合いの草刈り場所を定めたこと、新たに
土塚
(
つちづか
)
を築いて境界をはっきりさせること、
最寄
(
もよ
)
りの百姓ばかりがその辺へは
鎌
(
かま
)
を入れることにして、一同福島から引き取って来たことを告げた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
最
常用漢字
小4
部首:⽈
12画
寄
常用漢字
小5
部首:⼧
11画
“最”で始まる語句
最早
最
最初
最中
最後
最期
最前
最上
最近
最惜