“もよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
最寄51.3%
35.9%
茂世2.6%
茂與2.6%
毛与2.6%
茂与2.6%
藻代2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はこのような考えを正す目的で、時々最寄もよりの停留所に立って、懐中時計を手にしては、そこを通過する電車のトランシットを測ってみた。
電車の混雑について (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「うまくは書いてあるかも知れないが、なん意味いみもない。」——彼はいつも、クリストフの家でもよおされる小演奏会しょうえんそうかい出席しゅっせきしたがらなかった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「本郷金助町の御浪人大瀧清左衞門樣の一番目娘でお茂世もよさん、——くはしいことは此處に居る妹のお勢さんに訊いて下さい」
八五郎は首をちゞめてすゝめるのです。無遠慮に突つ込み過ぎて、お勢お茂世もよの父親——大瀧清左衞門に小つぴどくやられたことを思ひ出したのでせう。
その考へを側からき付けたのは、近頃善五郎に愛想あいそを盡かし乍ら、何千兩といふ金に引かれて飛出しもならずに居たお茂與もよ
「錢形の親分さん、始めてお目にかゝります。——私はあの、市ヶ谷御納戸町おなんどまち宗方むねかた善五郎樣の厄介になつて居る茂與もよと申すもので御座います」
次は何々村何野何兵衛の娘、毛与もよ、これは少し浅黒い方ですが、中々によい目鼻立ですが、その汗臭そうな大時代の紋服姿を見ると、大膳正の頭は邪慳に動きます。
「銭形の親分さん、始めてお目にかかります。——私はあの、市ヶ谷御納戸町おなんどまち宗方むなかた善五郎様の厄介になっている茂与もよと申すものでございます」
「いいえ、あすこの、女中なかいさんが、鹿落の温泉でなくなったんです。お藻代もよさんという、しとやかな、優しい人でした。……おじさん、その白い、細いのは、そのお藻代さんの手なんですよ。」
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)