茂與もよ)” の例文
新字:茂与
その考へを側からき付けたのは、近頃善五郎に愛想あいそを盡かし乍ら、何千兩といふ金に引かれて飛出しもならずに居たお茂與もよ
「錢形の親分さん、始めてお目にかゝります。——私はあの、市ヶ谷御納戸町おなんどまち宗方むねかた善五郎樣の厄介になつて居る茂與もよと申すもので御座います」
「それぢや他のことを訊くが——あのお茂與もよといふ女は、この家の何んだえ。かゝうどのやうでもあり、召使ひのやうでもあり、親類のやうでもあるが——」