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ぬくと
「
本當に
暖く
成つたんだよなあ
日輪まで
酷く
眩ぽくなつたやうなんだよ」おつぎは
例の
少し
甘えるやうな
口吻で一
枚の
掛蒲團をとつた。
此の
蒲團は
板ツ
端見てえなんだよなあ、
此れとつた
方が
爺は
輕く
成つてよかつぺなほんに、さう
云つても
暖くなるつちやえゝもんだよ
「
彼岸過ぎて
斯うだことつちや
俺ら
覺えてからだつで
滅多にやねえこつたから
此れから
暖く
成るばかしだな、
麥も
一日毎に
腰引つ
立たな」
卯平は
稍快よげにいつた。