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ふりがな文庫
“
方
(
ち
)” の例文
『ふン……後の加勢が来るあいだ、世囈い言を聞いていたほうが、其っ
方
(
ち
)
に取っては、無難ではないか。——今度はお小夜に一
言
(
こと
)
云おう』
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そう
彼
(
あ
)
っ
方
(
ち
)
の仲間へも嘘を
真
(
まこと
)
らしく、
此方
(
こっち
)
の仲間へも自分を飾ろうとするような弱い生き方では、結局、世の中のカスみたいな人間として
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ざ、ざ、ざ、ざッ——と真っ黒な一群の
騎馬武者
(
きばむしゃ
)
が、夕立のように此っ
方
(
ち
)
へ向って駈けてくる。北条勢に備えをくずされた前線の旗本らしかった。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『あの金は、
僅
(
わずか
)
の物に相違あるめえが、僅の物を返せというのに、何を
恟
(
ぎょ
)
ッとしているのだ。よこせ、此っ
方
(
ち
)
へ!』
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そう云って、底気味のわるい眼で——
何
(
ど
)
っ
方
(
ち
)
から先に刀の
錆
(
さび
)
にするか——と舌なめずりして見較べるように
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
独りで
漕
(
こ
)
いで来た貸船を、永代橋から少し
下流
(
しも
)
の所を約二十間ほどの間、あっち
此
(
こ
)
っ
方
(
ち
)
漕
(
こ
)
ぎ廻って
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
汝
(
てめ
)
ッ
方
(
ち
)
のような、青侍に、カスを喰って泣き寝入りをするような
闘鶏師
(
とりし
)
たあ、闘鶏師がちがう」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
駄賃
(
だちん
)
は
其
(
そ
)
っ
方
(
ち
)
物
(
もの
)
。体は此っ方物だ。自分の体で自分が休むのに、文句を云われて堪まるものか』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
止めるとも、励ますとも、
何
(
ど
)
ッ
方
(
ち
)
つかずな声をあげて、自失の我から、
愕
(
おどろ
)
きの我に
回
(
かえ
)
った。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『おや、ここの陣所だけは、
後詰
(
うしろまき
)
でうごくめえと思ったら、これやあいけねえ、
此
(
こ
)
っ
方
(
ち
)
まで戦が
拡
(
ひろ
)
がって来やがった。今夜あたり、敵が、
襲
(
よ
)
せてくるか、此っ
方
(
ち
)
から出てゆくらしいぞ』
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『ウム、だが何っ
方
(
ち
)
にしても、もういちど、
市之丞
(
いちのじょう
)
様に会った上で——』
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だめ、だめ。
此
(
こ
)
ッ
方
(
ち
)
もヘトヘトに疲れとるから。話は、あとで聞こう」
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何
(
ど
)
つ
方
(
ち
)
みち買はないお客と、僕はあきらめられてゐるものゝやうに、遠慮なく、これなどは一本々々といはずに、何本幾値で買つて來た物だとか、この聯落の支那美人などは、今に年數が經つと
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
そうして、向う山と
此
(
こ
)
っ
方
(
ち
)
山との対陣は、朝から
午
(
うま
)
の刻までつづいた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『——
何
(
ど
)
うだな、
其
(
そ
)
っ
方
(
ち
)
の風雲は』
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
何
(
ど
)
つ
方
(
ち
)
がよいとも云えんなあ)
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“方”の解説
方(ほう)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“方”を含む語句
彼方
此方
何方
先方
其方
地方
前方
行方
方法
遠方
四方
彼方此方
貴方
東方
大方
上方
一方
外方
片方
南方
...