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捺印
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なついん
ふりがな文庫
“
捺印
(
なついん
)” の例文
私の実印は御送り致しませんが、もし私の名義となっているものがありましたらその名義変更のためには
何時
(
いつ
)
でも
捺印
(
なついん
)
致します。
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
こう云う事を防ぐためには証明書が幾枚もいるような、面倒な手続を必要とするらしいのです。何をするにも日本では署名と
捺印
(
なついん
)
が必要です。
亜米利加の思出
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その他
尾張
(
おわり
)
の窯以外のものでは「霞晴山」と
捺印
(
なついん
)
あるもの、または角皿などで北陸産のものもあるがいずれも味わいは劣る。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
工員に渡す月給袋の
捺印
(
なついん
)
とか、動員署へ提出する書類とか、そういう事務的な仕事に満足していることは、彼が書く特徴ある
筆蹟
(
ひっせき
)
にも
窺
(
うかが
)
われた。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
補充兵でまだ一ツ星ではあるが、毎日乗務が終って私に
捺印
(
なついん
)
をもとめる勤務手簿には「佐川新太郎」の文字が見られた。
指導物語:或る国鉄機関士の述懐
(新字新仮名)
/
上田広
(著)
▼ もっと見る
鮎沢は無言でポケットから小切手帳をとり出し、十万円の金額を書きこんで
捺印
(
なついん
)
した。それを相手に手渡しながら
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
署詰めの下士が
蝋燭
(
ろうそく
)
をともしてきてテーブルの上に置いた。ジャヴェルは腰を掛けて、ポケットから
捺印
(
なついん
)
してある一枚の紙を取り出して、何か書き始めた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「フン、それもよかろう。だが何かね。波田、おまえは自分から進んで、この要求書に
捺印
(
なついん
)
したんじゃないだろうな。だれかが、お前を
煽動
(
せんどう
)
したんだろうな」
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
半
刻
(
とき
)
のち、二つの問題は裁決され、書役が記録を読みあげた。それは江戸番の家老、古内志摩に送られるので、外記と甲斐が署名
捺印
(
なついん
)
をし、津田玄蕃が預かった。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
臼井は記名
捺印
(
なついん
)
をして、その預り証を川北老に手渡した。川北老はそれをすみれ嬢に見せ、嬢がうなずくと、それを八つに
畳
(
たた
)
んで、胸のポケットに
収
(
しま
)
って
釦
(
ボタン
)
をかけた。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼女はその翌日婚姻証書に
捺印
(
なついん
)
したこと、以前の女はその
夜
(
よ
)
いつのまにか姿をかくしてしまったこと、一ヶ月もたつと、彼女に対して非常な虐待がはじまってきたこと
誰が何故彼を殺したか
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
ナオミはいきなり私の
頸
(
くび
)
にしがみつき、その唇の朱の
捺印
(
なついん
)
を繁忙な郵便局のスタンプ掛りが
捺
(
お
)
すように、額や、鼻や、眼瞼の上や、
耳朶
(
みみたぶ
)
の裏や、私の顔のあらゆる部分へ
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ここに持って来た書類に、署名、
捺印
(
なついん
)
して下さい。これは、ストライキ決議と、その指令書です。この争議を一挙に解決するには、もはや、ストライキによる外はありません。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
歴史は意味なきペーヂの堆積にあらず、幾百世の国民は其が上に心血を印して去れり、骨は朽つべし、肉は
爛
(
くさ
)
るべし、然れども人間の心血が
捺印
(
なついん
)
したる跡は、之を抹すべからず。
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
が、すでに
捺印
(
なついん
)
された証書が交わされ、母の決心を変えさせることもできないのだ。
愛のごとく
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
というような誓詞を記し、名主、百姓代、組頭等これに
捺印
(
なついん
)
したものである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
学生や、吃りは、皆の名前をかいた誓約書を廻して、
捺印
(
なついん
)
を貰って歩いた。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「酔っぱらった
揚句
(
あげく
)
に、書類か何かに
捺印
(
なついん
)
署名したっけねえ」
ボロ家の春秋
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
繰返さるる説明と、実に私自身並びに三人の
捺印
(
なついん
)
を要した証文によって、ついに望を
遂
(
と
)
ぐるに至ったのです。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それに
捺印
(
なついん
)
して、その一枚を切り取ると、実印と小切手帳と万年筆を良斎のふところにねじこみ、また細引きを厳重に縛りなおして、身動きもできないようにしたうえ、手ぬぐいを取り出して
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これに彦太郎は、午前中をつぶして、叮嚀に一々
署名
(
しょめい
)
し、
捺印
(
なついん
)
した。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
永田杢次の署名と
捺印
(
なついん
)
。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
捺
漢検準1級
部首:⼿
11画
印
常用漢字
小4
部首:⼙
6画
“捺印”で始まる語句
捺印的
捺印者