捨子すてご)” の例文
委く承知なされぬ故なり兎角とかくに知ぬ事は疑心の發るもの然ば拙僧せつそう詳細くはしく認めて御目に掛んと筆を取出とりいだし佐州相川郡尾島村淨覺院門前に捨子すてごに成せられしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「もう餘程よほどひさしいことでございます。あれは豐干ぶかんさんが松林まつばやしなかからひろつてかへられた捨子すてごでございます。」
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
戸籍面こせきめんの父はおろかで、母は莫連者ばくれんもの、実父は父の義弟ぎていで実は此村の櫟林くぬぎばやしひろわれた捨子すてごである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
捨子すてごは悲し
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ば世話致しをるかつ此度の義に付心當りも是有これあらば申立よと申されし時六右衞門つゝしんでかしらを上げ私事は生國三州藤川宿に御座候藤川近在きんざいまかあり候兄の久右衞門儀先年捨子すてご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うみ奉つり産後肥立さんごひだちかね相果られ其後は老母らうぼの手にて御養育ごやういく申せしが右の老母病死びやうしみぎり若君をば同國相川郡あひかはごほり尾島村淨覺院じやうかくゐんと申す寺の門前に御證據しようこの品を相添あひそへ捨子すてごとして有しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)