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ぬい
拔て
詠むるに是も亦違もなき天下
三品の短刀なりと拜見し
畢りて大膳に
戻し成程御證據の二品は慥なれ共天一坊殿に於ては
僞物に相違なしといふ
此時天忠席を
拔て胸先に
押當れどもお梅は
夫の事のみ心に
懸り
勿々怖るゝ
容子もなく
殺さば殺し給へ決して隨ふまじと
罵る
故粂之進は刀を
拔は拔たれども
素より殺す心なければ
納め
方に
困り居るを
聞其所に居るのはお梅かと言へばお梅はオヽ
父さん
何卒助けて下されと聞くより上臺は
馳寄るに雲助は是を見て
邪魔だてなすなと
棒振上打て掛るを引外し
脇差拔て
切懸るに彼の雲助は逃
乍ら女を