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おっと
ふりがな文庫
“
押取
(
おっと
)” の例文
お丹
突然
(
いきなり
)
、「畜生——」と一喝して
長羅宇
(
ながらう
)
の煙管を
押取
(
おっと
)
り、火鉢の
対面
(
むこう
)
に割膝して坐りたる鉄の額を砕けよと一つ
撲
(
ぶ
)
つ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
柳の蔭へ槍を隠して橋を渡ろうとした米友は、この声を聞くと共に、その槍を
押取
(
おっと
)
って
驀然
(
まっしぐら
)
に駈け出しました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「それっ」と居合せた者八人ばかりが
押取
(
おっと
)
り刀でとびだしていった。——さあ活劇である。
若殿女難記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と左右から小太い竹の息杖を
押取
(
おっと
)
って打って掛りましたが、打たれるような人ではない、ヒラリと身を
交
(
か
)
わしながら、木剣作りの小脇差を引抜き、原文の持ってる息杖を
打払
(
ぶっぱら
)
い
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今日も雨かと思うたりゃ、さあお
天道様
(
てんとさま
)
が出なさったぞ、
皆
(
みんな
)
来
(
こ
)
うと呼ばって、
胡麻塩頭
(
ごましおあたま
)
に向鉢巻、手垢に光るくるり
棒
(
ぼう
)
押取
(
おっと
)
って
禾場
(
うちば
)
に出る。それっと子供が飛び出す。兄が出る。弟が出る。
嫁
(
よめ
)
が出る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
擬いの神尾主膳は
堪
(
たま
)
り兼ねて刀を
押取
(
おっと
)
ると、附添いの者合せて十余人がみな同じようにして竜之助を取捲く。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
台所の
豪傑儕
(
ごうけつばら
)
、
座敷方
(
ざしきがた
)
の
僭上
(
せんじょう
)
、
栄耀栄華
(
えようえいが
)
に
憤
(
いきどおり
)
を発し、しゃ討て、
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
小褄
(
こづま
)
の前を
奪取
(
ばいと
)
れとて、
竈
(
かまど
)
将軍が
押取
(
おっと
)
った
柄杓
(
ひしゃく
)
の采配、火吹竹の貝を吹いて、鍋釜の鎧武者が
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
忽
(
たちま
)
ち心づきて太刀を納め、
大
(
おおい
)
なる幣を
押取
(
おっと
)
って、
飛蒐
(
とびかか
)
る)
御神
(
おんかみ
)
、
祓
(
はら
)
いたまえ、浄めさせたまえ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この時、神尾主膳は——よせばよかったのですけれども、来客の手前と、例の通り酒気を帯びていたのだから
嚇
(
かっ
)
と怒って、真先に自分が
長押
(
なげし
)
から九尺柄の槍を
押取
(
おっと
)
りました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
米友はその大猿を片手で掴んで群猿の中へ投げ込んで、例の手慣れた杖槍を
押取
(
おっと
)
りました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
棍元教の大先達が、自在棒を
押取
(
おっと
)
って控えたからには、
掌
(
たなそこ
)
をめぐらさず、
立処
(
たちどころ
)
に退治てくれる。ものと、しなに
因
(
よ
)
っては、得脱成仏もさして
遣
(
や
)
る。……
対手
(
あいて
)
によっては、
行方
(
ぎょうりき
)
が手荒いぞ。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
枯野へ霜がおりたような、豆府の土手の冷たいのに、
押取
(
おっと
)
って、箸を向けると
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
附いていた若い
衆
(
しゅ
)
がむらむらと
押取
(
おっと
)
り包んで、胴上げにして放り出した。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
押
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
“押取”で始まる語句
押取刀
押取巻
押取囲
押取籠