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所天
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をつと
ふりがな文庫
“
所天
(
をつと
)” の例文
皮肉を云はれながらも、
所天
(
をつと
)
がいつに無く多少のうち解けを見せるのが、千代子には嬉しかつたらしい、で、
長
(
なが
)
ツ
尻
(
ちり
)
をしてゐたので
泡鳴五部作:01 発展
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
此の
突
(
つ
)
ツ
放
(
ぱな
)
すやうな仕打をされたので、近子は
些
(
ちつ
)
と
拍子抜
(
ひやうしぬけ
)
のした氣味であつたが、
何
(
な
)
んと思つたのか、また
徐々
(
そろ/\
)
所天
(
をつと
)
の傍へ寄ツて
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
逸りきつたる若き男の間違仕出して
可憫
(
あはれ
)
や清吉は
自己
(
おのれ
)
の世を狭め、わが身は
大切
(
だいじ
)
の
所天
(
をつと
)
をまで憎うてならぬのつそりに謝罪らするやうなり行きしは
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
その
所天
(
をつと
)
と同じやうに役者じみた所があつて、ちよツと微笑して見せるのにも、その圓く肉づいた頬ツぺたにまで表情が隘れてゐる。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
爲樣
(
しやう
)
があらうが有るまいが、それは
私
(
わたし
)
の知ツたことぢやない! といふやうな顏をして、
近子
(
ちかこ
)
はぷうと
膨
(
ふく
)
れてゐた。そして
軈
(
やが
)
て
所天
(
をつと
)
の
傍
(
そば
)
を離れて、
椽側
(
えんがは
)
を
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
と歩き始めた。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
そして、かの
女
(
ぢよ
)
はのろけまじりに昔の
所天
(
をつと
)
のことや近頃會ふ人々のことを語り、義雄の燒き持ち
心
(
しん
)
を挑發しようとする。そして
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
近子
(
ちかこ
)
は
唇
(
くちびる
)
を
噛
(
か
)
みながら、さも
忌々
(
いま/\
)
しさうに、さも
心外
(
しんぐわい
)
さうに、默ツて
所天
(
をつと
)
の
長談義
(
ながだんぎ
)
を聽いてゐたが、「ですから、
貴方
(
あなた
)
はおえらいのでございますよ。」と打突けるやうに
謂
(
い
)
ツて
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
千代子などとは違つて、大野のもとのは優しい、いい細君であつたのに——然しまた今のもお鳥などとは違ひ、
所天
(
をつと
)
の片腕になつてゐる。
泡鳴五部作:01 発展
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
次ぎに、巣鴨學校の
美髯
(
びぜん
)
校長がゐる。お宮さんともとの
所天
(
をつと
)
、また今の所天との關係には、この校長は忘るべからざる人である。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「可哀さうも何も」と、つツ立つたまま、わざと唇を噛んで見せ、「あつたものか?
所天
(
をつと
)
に對して教訓的なことを云ふのア無禮の極だ!」
泡鳴五部作:01 発展
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「わたし、不賛成です!」靜子はからだを振つて、その
所天
(
をつと
)
から一歩を退いた。「田村さんのやうな人は、もう、來て貰ひたくありません。」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
そしてその
所天
(
をつと
)
の枕もとへ無作法にばたりと坐わつて、その手紙を突き出した。こちらはこの相變らずの氣違ひじみたがさつを嫌つてたのだ。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「おれは、ね」と、分らせるやうに念を押して、「
手前
(
てめえ
)
のゐるやうな家にやア父でもない!
所天
(
をつと
)
でもない!」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
ただ自分の暫らく厄介になることに對し、かの女がその
所天
(
をつと
)
にあたまから反對(があるかも知れないから)の氣勢を吹き込まない樣にさへして呉れればいい。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「田村さんが旅からお歸りになつたのです」と、お豐さんはやはらかい物腰で
所天
(
をつと
)
の問ひに答へる。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「然しそれは」と、お綱は躍起となつて、「世間一般の風習で、仕方がないでは御座いませんか? 他人なら知らず、自分の子供を可愛がるのは自分の
所天
(
をつと
)
を愛するも同じです、わ。」
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
如何に今の
所天
(
をつと
)
にばかりうち込んで——かの女はどんなお客をでも振つてしまふので有名であつたさうだが——一緒になつた女だとは云へ、今日の樣な
榮
(
は
)
えない状態をよく辛抱してゐる、と。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「では、休みませうか」と、お綱は
所天
(
をつと
)
の方を見た。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
所天
(
をつと
)
の俸給はその割合ひにはあがつて行かない。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
“所”で始まる語句
所謂
所以
所
所詮
所為
所作
所業
所在
所々
所有