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忌日
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きにち
ふりがな文庫
“
忌日
(
きにち
)” の例文
「待ちな、
元三大師
(
がんざんだいし
)
の御神籤には
忌日
(
きにち
)
があるものだ。日も時も構わず、毎日御神籤を引くのは、いくら小娘でも変じゃないか、八」
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この年の抽斎が
忌日
(
きにち
)
の頃であった。小島成斎は五百に勧めて、なお存している蔵書の大半を、
中橋埋地
(
なかばしうめち
)
の柏軒が家にあずけた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「そうそう、祖先の
忌日
(
きにち
)
ごとには、かならずあの菩提寺の庭を見た。——足利家代々の苔さびたおくつきに額ずいた後で」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平「感心な奴だ、手前ぐらいな年頃には親の
忌日
(
きにち
)
さえ知らずに暮らすものだに、親はと聞かれて涙を流すとは親孝行な奴じゃて、親父は此の頃亡くなったのか」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
八月に入って泉太や繁の母親の
忌日
(
きにち
)
が来た。学校も暑中休暇になった二人の子供は久し
振
(
ぶり
)
で父と一緒に外出することを楽みにして、その前の晩から墓参りに行く話で持切った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
老人は進の如き
乖戻
(
かいれい
)
な男と好んで苦楽を
偕
(
とも
)
にしているような女が、言わばその
姑
(
しゅうとめ
)
に当るものの
忌日
(
きにち
)
を知って墓参りをするとは、そもそもどうした
訳
(
わけ
)
であろう。そんな訳のあろうはずがない。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今日は亡き父の
忌日
(
きにち
)
である。父の黒川一民は松本藩士で儒官を勤めていた。
菊屋敷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
送
(
おく
)
りしに
夫
(
をつと
)
の
忌日
(
きにち
)
もいつしか八年跡の
空
(
そら
)
とぞ
過行
(
すぎゆき
)
ける道之助
今年
(
ことし
)
十歳に成けるに親は無とも子は
育
(
そだ
)
つとやら母の手一ツに
育
(
そだ
)
て
揚
(
あげ
)
たる子ながらも
生
(
うま
)
れ付ての
發明者
(
はつめいもの
)
殊
(
こと
)
に
幼稚
(
いとけな
)
き心にも母が
心盡
(
こゝろづく
)
しの程を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
被害者の
忌日
(
きにち
)
の獄に
仏華
(
ぶつげ
)
なく春雨降りて静かに昏れし
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
「待ちな、元三大師の
御籤
(
おみくじ
)
には
忌日
(
きにち
)
があるものだ。日も時も構はず、毎日御神籤を引くのは、いくら小娘でも變ぢやないか、八」
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
数年前に
大槻如電
(
おおつきにょでん
)
さんが浅草
北清島町
(
きたきよじまちょう
)
報恩寺内専念寺にある重兵衛の墓に
詣
(
もう
)
でて、
忌日
(
きにち
)
に墓に来るものは
河竹新七
(
かわたけしんしち
)
一人だということを寺僧に聞いた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
秀吉が鹿之介の
忌日
(
きにち
)
を忘れなかったということは、二人にとっても有難い心地がした。この人のためには死も惜しくないという気持を深めさせられた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忌日
(
きにち
)
にさきだって、紫野大徳寺の
天祐和尚
(
てんゆうおしょう
)
が京都から
下向
(
げこう
)
する。年忌の営みは晴れ晴れしいものになるらしく、一箇月ばかり前から、熊本の城下は準備に忙しかった。
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
亡父
(
ちち
)
の野辺の送りも見ず、七々の
忌日
(
きにち
)
も営んでいないのだ。陣中には、
位牌
(
いはい
)
を持って歩いていた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
臨済寺には、今日、お館様をはじめ、重臣方が、雪斎和尚の
忌日
(
きにち
)
とて、御参詣遊ばされておる。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
壽阿彌は刀自の
穉
(
をさな
)
かつた時、伊澤の家へ度々來た。僧侶としては毎月十七日に
闕
(
か
)
かさずに來た。これは此手紙の書かれた翌年、文政十二年三月十七日に歿した蘭軒の
忌日
(
きにち
)
である。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
口ぐせに、彼のいうとおり、彼の居間の棚には、常に、伊勢守から受けた新陰流の印可と、四巻の古目録とが奉じてあり、
忌日
(
きにち
)
には、膳を供えて
祠
(
まつ
)
ることも忘れなかった。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寺には毎月一度
詣
(
もう
)
で、親と夫との
忌日
(
きにち
)
には別に詣でた。会計は抽斎の世にあった時から自らこれに当っていて、死に
迨
(
いた
)
るまで廃せなかった。そしてその節倹の用意には驚くべきものがあった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
母はもちろん、秀吉の心を知っているので、これも彼の前では、語ることなく、ただ
忌日
(
きにち
)
命日
(
めいにち
)
には、そっとただ独りで、持仏堂には、花をあげて、坐るぐらいなものだった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“忌日”の意味
《名詞》
忌 日(きにち、きじつ)
ある人物が死んだ日。広義では、死んだ日付の月日と同じ日。
ある人物が死んでから、七七日まで7日ごとに追善供養をする日。
(出典:Wiktionary)
“忌日(
命日
)”の解説
命日(めいにち)は、ある人が死亡した日のこと。忌日(きにち)ともいう。
対義語は誕生日。
死亡した年月日を歿(没)年月日(ぼつねんがっぴ)という。
(出典:Wikipedia)
忌
常用漢字
中学
部首:⼼
7画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“忌日”で始まる語句
忌日追福