“きにち”の漢字の書き方と例文
語句割合
忌日100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平「感心な奴だ、手前ぐらいな年頃には親の忌日きにちさえ知らずに暮らすものだに、親はと聞かれて涙を流すとは親孝行な奴じゃて、親父は此の頃亡くなったのか」
八月に入って泉太や繁の母親の忌日きにちが来た。学校も暑中休暇になった二人の子供は久しぶりで父と一緒に外出することを楽みにして、その前の晩から墓参りに行く話で持切った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
老人は進の如き乖戻かいれいな男と好んで苦楽をともにしているような女が、言わばそのしゅうとめに当るものの忌日きにちを知って墓参りをするとは、そもそもどうしたわけであろう。そんな訳のあろうはずがない。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)