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御安心
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ごあんしん
しかし、
御安心下さい。——
雪の
中を
跣足で
歩行く
事は、
都會の
坊ちやんや
孃さんが
吃驚なさるやうな、
冷いものでないだけは
取柄です。
御安心くださいまし。
上書なんざ二の
次三の
次、
中味から
封じ
目まで、おせんの
手に
相違はございません。
まだくらいうちに
勝負はついてしまいましょう。
御安心下さいまし。
「へいへい、
合点でげす。
月はなくとも
星明り、
足許に
狂いはござんせんから
御安心を」
「
御安心なさいまし、
大丈夫でせう。」といふ
所へ、
濱野さんが、
下駄を
鳴して
飛んで
戻つて、「づか/\
庭から
入りますとね、それ、あの
爺さん。」といふ、
某邸の
代理に
夜番に
出て
「だが
御安心は
御無用じゃ。いつ
何時変化があるか
判らぬからのう」