引擔ひつかつ)” の例文
新字:引担
取て夫婦二人を無理むりに一つ駕籠にのせ是でよしとて半四郎はむか鉢卷はちまき片肌かたはだぎ何の苦もなく引擔ひつかつぎすた/\道をかけながら酒屋をさして急ぎけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『やあ、うまい/\、でもよくうごくわい、もう遲々ぐず/\してはられない。』ときふはしつてつて、此時このときすで出來上できあがつてつた紀念塔きねんたふ引擔ひつかついでた。
八五郎は善吉を引擔ひつかつぐやうに眞つ暗な夜の街に出て行きます。八五郎の背中で、後ろを伏し拜み伏し拜みする善吉が、どんなに厄介な荷物だつたことか。
おなじむきに連立つれだつた學生がくせいかたが、大方おほかたまはりで見知越みしりごしであつたらう。ふよりはや引擔ひつかついでくだすつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見せにやらんと宿駕籠しゆくかごを頼みて其用意に及びし所へ後藤半四郎はむか鉢卷はちまき片肌脱かたはだぬぎになり駕籠一ちやうへ夫婦二人を乘せ一人にて引擔ひつかつぎ寶珠花屋のかど駈着かけつけ是々亭主今歸りたりとおもて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)